結論:HDMIケーブル1本、テレビは「HDMI 3」、サウンドバーは「HDMI eARC」

この2機種は、HDMI eARCでつなぐのが基本です。配線は次の1本だけです。

  • TCL「Q85H Pro」の「HDMI eARC」端子 ←→ ソニー BRAVIA 5「K-55XR50」の「HDMI 3」

テレビ側がHDMI 3である理由は、ソニー公式のHDMI入力信号一覧で、XR50シリーズのeARC/ARC対応入力がHDMI 3とされているためです。サウンドバー側がHDMI eARC端子である理由は、TCL公式取扱説明書がQ85H Proのテレビ音声用の接続として HDMI eARC(と光デジタル)を挙げているためです。HDMI eARCを基本構成に選ぶという判断自体は、この両方の公式表記がかみ合っていることを踏まえた、この記事の判断です。

そのうえで、テレビ側で行う設定は次の3つです(いずれもソニー公式の表記どおり)。

  • [設定]—[放送と外部入力]—[外部入力設定]—[ブラビアリンク設定]—[ブラビアリンク機器制御]を有効にする
  • [オーディオシステム設定]—[eARC設定]—[オート]
  • [設定]—[画面と音声]—[音声出力]—[スピーカー出力]—[オーディオシステム]

サウンドバー側では、テレビの音を聞くときに、ソース(入力)を「HDMI eARC」にしておくことが必要です。TCL公式取扱説明書は、音が出ないときの確認項目として「正しいソースを選択したかを確認してください」を挙げています。

ゲーム機など、4K 100Hz/120HzやVRR/ALLMが関わる機器は、テレビの HDMI 4 につなぐのを基本とします。HDMI 3はサウンドバーが使うためです。Q85H Proには外部機器用の HDMI入力1・HDMI入力2 もあり、そちらに直接つなぐ構成も公式に成り立ちますが、条件の読み方が変わります(後述)。「迷ったらテレビのHDMI 4」という位置づけは、この記事の判断です。

この記事で使う言葉

  • HDMI eARC / ARC:テレビとサウンドバーをHDMIケーブル1本でつなぎ、テレビ側の音をサウンドバーへ送るしくみです。eARCはARCの拡張版にあたります。
  • HDMI入力端子 / HDMI出力端子:入力は信号を受け取る側、出力は次の機器へ送り出す側です。テレビとつなぐ端子と、機器をつなぐ端子は別物なので、ここを取り違えないでください。
  • パススルー:あいだの機器を経由して信号を次へ送ることです。テレビにつないだ機器の音声をサウンドバーへ送る場合と、サウンドバーにつないだ機器の映像をテレビへ送る場合の両方で使われます。
  • CEC:HDMIでつないだ機器どうしが制御信号をやりとりする機能の一般的な呼び方です。K-55XR50側のメニュー表記は[ブラビアリンク機器制御]です。
  • VRR / ALLM:ゲーム時の表示に関わるHDMIの機能です。
  • 8bit / 10bit / 12bit:色の階調の細かさ(色深度)です。RGB 4:4:4 / YCbCr 4:4:4 / YCbCr 4:2:2 / YCbCr 4:2:0 は色情報の持ち方(クロマサブサンプリング)の違いで、右へ行くほど色情報が間引かれます。
  • 光デジタル:光ケーブルで音声だけを送る接続方法です。
  • PCM:圧縮していない音声データの形式です。

対象モデルと確認範囲

この記事が扱うのは、次の2機種の組み合わせだけです。

  • テレビ:ソニー BRAVIA 5「K-55XR50」
  • サウンドバー:TCL「Q85H Pro」

型番が違えば、端子の構成も設定項目も対応範囲も変わります。Q85H Pro以外のTCL製サウンドバーや、K-55XR50以外のBRAVIAについて、この記事は何も述べません。 他機種の仕様をこの組み合わせに当てはめることもしません。

根拠として使うのは、ソニー公式(BRAVIA 5ヘルプガイド、XR50シリーズのサポート情報・仕様表)とTCL公式(Q85H Pro取扱説明書、商品ページ)の一次情報だけです。そこから読み取れないことは「未確認」としてそのまま残します。「未確認」は「非対応」という意味ではありません。 確認できていない、という意味です。


手順1:ケーブルを用意する

ここは、テレビ側とサウンドバー側で公式の書き方が異なる部分です。この記事では、両方の記載をそれぞれの立場のまま示します。

  • テレビ側の記載:ソニー公式ヘルプガイド(BRAVIA 5)「オーディオシステムをつなぐ」のHDMI接続(eARC対応)の接続図では、イーサネット対応HDMIケーブル(別売) とされています。
  • サウンドバー側の記載:TCL公式取扱説明書の内容物には HDMIケーブル が含まれています。

この付属HDMIケーブルが、テレビ側の言う「イーサネット対応」という条件を満たすものと同じかどうかは、この記事が参照した公式情報からは確認できません(未確認)。 ここを推測で埋めることはしません。「未確認」であって、「付属ケーブルでは使えない」という意味ではありません。

そのうえで、この記事としては、テレビ側の条件(イーサネット対応HDMIケーブル)を満たすと確認できるケーブルを使うことをおすすめします。テレビ側の条件が公式に明記されている以上、そこを基準にするのが確実だからです。これはこの記事の判断です。 設置場所によっては、必要な長さが足りるかどうかも先に確かめておいてください。

なお、ゲーム機などをQ85H ProのHDMI入力1・2に直接つなぐ場合や、テレビのHDMI 4につなぐ場合のケーブル条件は、これとは別の話です。後半で別に扱います。


手順2:テレビの「HDMI 3」とQ85H Proの「HDMI eARC」をつなぐ

ケーブルの両端は次のとおりです。

  • テレビ側:K-55XR50の HDMI 3
  • サウンドバー側:Q85H Proの HDMI eARC

テレビ側をHDMI 3以外の入力に挿すと、eARC/ARCの経路になりません。 ソニー公式のHDMI入力信号一覧で、XR50シリーズのeARC/ARC対応入力とされているのはHDMI 3だけです。ソニー公式ヘルプガイド(BRAVIA 5)の音声フォーマットの記載も、eARC/ARCの対象を HDMI3入力のみ としています。

サウンドバー側の挿し間違いにも注意してください。 TCL公式取扱説明書によると、Q85H Proのソース(入力)には HDMI eARC/光デジタル(Optical)/USB/Bluetooth/HDMI入力1/HDMI入力2 があります。このうち HDMI入力1・HDMI入力2は、ゲーム機やプレーヤーなどの機器をつなぐための端子です。テレビとつなぐケーブルをHDMI入力1・2に挿しても、テレビの音を受け取る経路にはなりません。 テレビ側は「HDMI 3」、サウンドバー側は「HDMI eARC」、と覚えてください。


手順3:テレビの[ブラビアリンク機器制御]を有効にする

ソニー公式ヘルプガイド(BRAVIA 5)「ブラビアリンク機能を設定する」の手順に従って、

[設定]—[放送と外部入力]—[外部入力設定]—[ブラビアリンク設定]—[ブラビアリンク機器制御]を有効にする

を行います。

この操作は、サウンドバー側の案内とも対応しています。TCL公式取扱説明書は、HDMI/CECの説明のなかで 「テレビの設定で CEC 機能を有効にしてください」 と案内しています。K-55XR50でそのCEC機能にあたるのが[ブラビアリンク機器制御]である、という対応づけはこの記事の判断です。 ソニー側の公式記載は、この設定項目とメニュー階層を示すところまでで、「どのサウンドバーでも必ずこの設定が前提になる」とまでは書かれていません。ただしTCL側がテレビのCEC有効化を明示的に案内している以上、この組み合わせでは最初から有効にしておく手順として案内します。


手順4:テレビの[eARC設定]を[オート]にする

ソニー公式ヘルプガイド(BRAVIA 5)「オーディオシステムをつなぐ」の手順に従って、

[オーディオシステム設定]—[eARC設定]—[オート]

を選びます。


手順5:テレビの音の出口をオーディオシステムに切り換える

同じくソニー公式ヘルプガイド(BRAVIA 5)「オーディオシステムを調整する」の手順に従って、

[設定]—[画面と音声]—[音声出力]—[スピーカー出力]—[オーディオシステム]

を選びます。これで音の出口が、テレビ本体のスピーカーからオーディオシステム側に切り替わります。この手順は、ソニー公式の記載上、HDMIケーブルでつないだ場合と光デジタルケーブルでつないだ場合の両方を対象としています。 後述の光デジタル接続に切り替えたときも、この設定はそのまま使えます。


手順6:Q85H Pro側でソース(入力)を合わせる

設定はテレビ側だけで終わりません。 テレビの音を聞くときは、Q85H Proのソースを「HDMI eARC」に合わせてください。

TCL公式取扱説明書は、Q85H Proのソースとして HDMI eARC/光デジタル/USB/Bluetooth/HDMI入力1/HDMI入力2 を挙げており、音が出ないときの確認項目としても 「正しいソースを選択したかを確認してください」 を挙げています。つまり、どのソースを選んでいるかは、音が出るかどうかに直結する操作項目です。

  • テレビ番組やテレビ内のアプリの音を聞くとき → ソースは HDMI eARC
  • Q85H ProのHDMI入力1につないだ機器を見るとき → ソースは HDMI入力1
  • Q85H ProのHDMI入力2につないだ機器を見るとき → ソースは HDMI入力2
  • テレビのHDMI入力(HDMI 4など)につないだ機器を見るとき → テレビ側で入力を切り換え、Q85H Pro側はHDMI eARCのまま

なお、ソースを切り換える具体的な操作方法(リモコンのボタン名や本体の操作手順)や、Q85H Pro側のその他の設定メニューの名称は、この記事の確認範囲に含みません(未確認)。 実機の表示と付属の取扱説明書に従ってください。この記事は、どのソースを選ぶべきかまでを扱います。

USB・Bluetoothの各ソースで何ができるかも、この記事では扱いません(未確認)。


ゲーム機・プレーヤーはどこにつなぐか

Q85H Proには**外部機器をつなぐためのHDMI入力が2系統(HDMI入力1・HDMI入力2)**あります。そのため、接続先には次の2通りがあります。

  • (A) 機器 → テレビ K-55XR50 のHDMI入力(音声はテレビ経由でサウンドバーへ)
  • (B) 機器 → Q85H Pro のHDMI入力1または2(映像はサウンドバー経由でテレビへ)

どちらも公式表記のうえで成り立つ構成です。そのうえでこの記事は、4K 100Hz/120HzやVRR/ALLMが関わるゲーム機については(A)を基本とします。理由は、(A)のほうが確認すべき条件が少なく、条件がテレビ側の公式情報だけで閉じるからです。これはこの記事の判断です。

(A) テレビにつなぐ場合:ゲーム機は「HDMI 4」が基本

ソニー公式のHDMI入力信号一覧では、XR50シリーズについて 4K/120Hz・VRR・ALLM・HDCP2.3のいずれもHDMI 3とHDMI 4が対応(◯) とされています。一方で、eARC/ARC対応の入力は HDMI 3のみ です。

HDMI 3はサウンドバーが使うので、4K 100Hz/120HzやVRR/ALLMを使いたい機器は残るHDMI 4へ ——これがこの記事の判断です。

  • サウンドバー(Q85H Pro) → テレビ HDMI 3
  • 4K 100Hz/120Hz・VRR・ALLMを使いたいゲーム機 → テレビ HDMI 4
  • そのほかの機器 → 空いているテレビのHDMI入力、またはQ85H ProのHDMI入力1・2

挿すだけでは足りません:テレビ側の2つの条件

「入力信号一覧で◯」と「挿せばその信号が通る」は別の話です。 テレビ側にも条件があります。

ソニー公式サポート情報「テレビのHDMI端子でサポートされている機能」のBRAVIA 5(XR50)の表では、4K 100Hz/120Hzに対応するのはHDMI 3/HDMI 4としたうえで、HDMI 3またはHDMI 4のHDMI信号フォーマットを[拡張フォーマット(詳細)]に設定することが案内されています。あわせて、一部の機器ではウルトラハイスピードHDMIケーブルが必要とも記載されています。

設定を行う場所は、ソニー公式ヘルプガイド(BRAVIA 5)「HDMI入力映像をより高精彩に見るための設定」に記載があります。

[設定]—[放送と外部入力]—[外部入力設定]—[HDMI信号フォーマット/VRR設定]— 設定したいHDMI端子

このヘルプガイドが選択肢として挙げている表記は [拡張フォーマット(高機能)] で、選べる信号フォーマットは機種によって異なるとされています。また同ヘルプガイドは、4K 120Hzまたは8Kには48Gbps対応のウルトラハイスピードHDMIケーブルが必要としています。

[拡張フォーマット(詳細)]と[拡張フォーマット(高機能)]は、それぞれ別のソニー公式情報に書かれている表記です。この記事では、2つをつなげて1つのメニュー名に書き直すことはしません。 K-55XR50を含むXR50シリーズを名指しで案内しているのは[拡張フォーマット(詳細)]と書いているサポート情報のほうですが、実際の操作では画面に表示されている表記に従ってください。

まとめると、テレビのHDMI 4にゲーム機をつなぐときの条件は次の2つです。

  1. その端子のHDMI信号フォーマットを、公式に案内されている設定に変更する(場所は上記のメニュー階層)
  2. ケーブルの条件を満たす(ヘルプガイドは4K 120Hz/8Kに48Gbps対応ウルトラハイスピードHDMIケーブルが必要と記載。サポート情報は一部の機器でウルトラハイスピードHDMIケーブルが必要と記載)

テレビにつないだ機器の音声については、ソニー公式ヘルプガイド(BRAVIA 5)が次のように記載しています。

eARC/ARCと記載されているHDMI端子を使用すると、テレビにつないだ外部入力機器の音声信号を、eARCに対応したオーディオシステムに出力(パススルー)できます。

つまり、テレビにつないだ機器の音声をサウンドバーへ送るという経路そのものは、テレビ側の公式情報が示しているものです。ただしこれは経路の話であり、どの機器のどのコンテンツでも常に特定のフォーマットで届くことを示すものではありません(後述)。

ゲーム機側がどの信号を出すか、ゲーム機側の設定でどうなるかは、この記事の範囲外です。

(B) Q85H ProのHDMI入力1・2に直接つなぐ場合

TCL公式取扱説明書によれば、Q85H Proには外部機器を直接つなぐためのHDMI入力が HDMI入力1・HDMI入力2 の2系統あります。この構成では、機器をHDMI入力1または2につなぎ、テレビとはHDMI eARC端子でつないだままにします。映像はサウンドバーを経由してテレビへ送られる(パススルー)形になります。見るときは、Q85H Pro側のソースをその機器をつないだHDMI入力(HDMI入力1/HDMI入力2)に合わせてください。

この構成で通る映像の範囲は、次の節で整理します。


Q85H Proに直接つないだときの映像:公式に書かれている範囲

ここは、公式情報の出どころが2つあり、書かれている内容の粒度が違うところです。混ぜずに読んでください。

取扱説明書のHDMI仕様

TCL公式取扱説明書のHDMI仕様には、4Kビデオパススルー:120Hz、HDR:HDR10、HDR10+、Dolby Visionパススルー対応と記載されています。4K 120HzのパススルーとHDR10/HDR10+/Dolby Visionのパススルーは、取扱説明書ではっきり確認できる範囲です。

取扱説明書のUHD信号表(3840×2160p)

同じくTCL公式取扱説明書の仕様「対応するUHD信号仕様」には、3840×2160pについて次の表があります。

120fpsのとき

  • 8bit:RGB 4:4:4/YCbCr 4:4:4/YCbCr 4:2:2/YCbCr 4:2:0 対応
  • 10bit:RGB 4:4:4/YCbCr 4:4:4/YCbCr 4:2:2/YCbCr 4:2:0 対応
  • 12bit:YCbCr 4:2:0 のみ対応

144fpsのとき

  • 8bit:RGB 4:4:4/YCbCr 4:4:4/YCbCr 4:2:2/YCbCr 4:2:0 対応
  • 10bit:YCbCr 4:2:0 のみ対応
  • 12bit:YCbCr 4:2:0 のみ対応

そして、この表には次の注記が付いています。

接続された外部デバイスまたは使用条件によって対応仕様が異なる場合があります。

この注記はそのまま残します。 表に載っている組み合わせであっても、つないだ機器や使用条件によって結果が変わりうるというのが公式の書き方です。この記事は、表に書かれていない条件での動作や、あらゆる機器との組み合わせでの動作を約束しません。

商品ページの表示

TCL公式のQ85H Pro商品ページでは、Native 4K 144Hz パススルー/VRR/ALLM/Dolby Vision パススルーが挙げられています。

この記事の整理はこうです。

  • 取扱説明書のHDMI仕様で明確なのは 4K 120Hz のパススルーと、HDR10/HDR10+/Dolby Vision のパススルーです。
  • 144fps については、商品ページが「Native 4K 144Hz パススルー」と表示しており、取扱説明書のUHD信号表にも144fpsの行があります。ただし表のとおり、144fpsで4:4:4や4:2:2が載っているのは8bitの行だけで、10bitと12bitはYCbCr 4:2:0のみです。「4K 144Hz対応」という一言だけで、色深度やクロマの組み合わせをすべて満たすと読まないでください。 商品ページの表示は、色深度・クロマの全組み合わせを保証するものではありません。
  • VRR・ALLM は、この記事が参照した範囲では商品ページ側に挙げられている項目です。この記事は、この2つを取扱説明書で裏づけられた記載としては扱いません。

あわせて、テレビ側にも読み方の注意があります。 ソニー公式のHDMI入力信号一覧でXR50シリーズについて◯とされているのは 4K/120Hz です。K-55XR50が4K 144Hzの入力を表示できるかどうかは、この記事の参照範囲では確認できていません(未確認)。 「未確認」であって「非対応」ではありませんが、サウンドバー側の表に144fpsの行があることは、テレビ側でその表示が成立することの根拠にはなりません。 実際に映像が出るかどうかは、送り出す機器・サウンドバー・テレビ・ケーブルのすべてが関わります。


音声フォーマットの読み方

ソニー公式ヘルプガイド(BRAVIA 5)の音声フォーマットの記載は、eARC/ARC(HDMI3入力のみ)について、eARCモードとARCモードを分けて示しています。

  • eARCモード:7.1 channel linear PCM/Dolby Audio/Dolby Atmos/DTS/DTS-HD Master Audio/DTS-HD High Resolution Audio/DTS:X/MPEG2-AAC/MPEG4-AAC
  • ARCモード:Two channel linear PCM/Dolby Audio/Dolby Atmos/DTS/MPEG2-AAC/MPEG4-AAC

ここから分かるのは、テレビ側の記載でも、eARCモードとARCモードでは挙げられているフォーマットが違うということです。7.1chのリニアPCM、DTS-HD Master Audio、DTS-HD High Resolution Audio、DTS:Xが挙げられているのはeARCモードの側です。手順4で[eARC設定]を[オート]にしておくのは、この点でも意味があります。

読み方の注意が2つあります。

1つめ。これはテレビ側(送り出す側)の記載です。 ここに挙がっているフォーマットを、Q85H Pro側が受け取れる/再生できる、という意味に読み替えることはできません。 Q85H Proが入力として扱える音声フォーマットの一覧は、この記事の確認範囲に含みません(未確認)。「未確認」であって「非対応」ではありません。 両者の一覧を重ね合わせて、特定のコンテンツが特定のフォーマットで再生されると保証することも、この記事はしません。

2つめ。一覧に載っていることは、常にそのフォーマットで届くという意味ではありません。 実際に何が届くかは、送り出す機器、テレビ、アプリやサービス、個々のコンテンツ、各種の出力設定によって変わります。ソニー公式の記載も、そのモードで扱えるフォーマットを示すところまでです。


HDMIが使えないときの代替:光デジタル

HDMIの経路が使えない場合の代替(フォールバック)として、光デジタル接続があります。

端子は両側にあります。テレビ側は、ソニー公式のBRAVIA 5(XR50シリーズ)仕様表に 光デジタル音声出力端子が1系統(AAC/PCM/AC3/DTS) と記載されています。サウンドバー側は、TCL公式取扱説明書がQ85H Proのテレビ音声用の接続として 光デジタル(Optical) を挙げています。

手順は次のようになります。

  1. テレビの光デジタル音声出力端子と、Q85H Proの光デジタル入力を光ケーブルでつなぐ
  2. テレビ側で [設定]—[画面と音声]—[音声出力]—[スピーカー出力]—[オーディオシステム] を選ぶ(この手順は、ソニー公式の記載上、光デジタルでつないだ場合も対象です)
  3. Q85H Pro側のソースを 光デジタル に合わせる

光デジタルはあくまで代替であり、HDMI eARCと同じものではありません。 テレビ側の仕様表で光デジタル音声出力端子に挙げられているのは AAC/PCM/AC3/DTS であり、前掲のeARCモードの一覧とは範囲が異なります。HDMI eARCを基本とし、光デジタルはHDMIの経路が使えないときの選択肢とする、というのはこの記事の判断です。

光デジタルで音が出ないときの対処として、TCL公式取扱説明書は 「PCM信号の出力を有効にしてみてください」 と案内しています。ただし、どの機器のどのメニュー項目でその設定を行うかまでは、この記事の参照範囲では特定できていません(未確認)。 実機の表示と各機器の取扱説明書を確認してください。この記事は、公式に案内されている対処の方向(PCM出力を試す) までを示します。

光デジタル接続を使う場合の、テレビ側・サウンドバー側のその他の設定項目についても、この記事では扱いません(未確認)。


音が出ないときに見直すところ

TCL公式取扱説明書が挙げている確認項目は、接続・正しいソースの選択・音量・ミュートの4点です。この組み合わせでは、これにテレビ側の設定を合わせて次の順に確認してください。

  1. ケーブルの接続。挿し込みが浅くないか。テレビ側が HDMI 3 に、サウンドバー側が HDMI eARC に挿さっているか。サウンドバーのHDMI入力1・2に挿していないか。
  2. ケーブルの条件。テレビ側の記載にあるイーサネット対応HDMIケーブルの条件を満たすと確認できるものか(付属ケーブルとの同一性は未確認)。
  3. Q85H Proのソース。テレビの音を聞くときは HDMI eARC が選ばれているか。
  4. 音量。Q85H Proの音量が下がりすぎていないか。
  5. ミュート。Q85H Proが消音になっていないか。
  6. テレビの[スピーカー出力]。[オーディオシステム] になっているか(手順5)。
  7. テレビの[eARC設定]。[オート] になっているか(手順4)。
  8. テレビの[ブラビアリンク機器制御]。有効になっているか(手順3)。TCL側も、テレビのCEC機能を有効にするよう案内しています。

光デジタルでつないでいて音が出ない場合は、上記に加えて、TCL公式が案内する PCM信号の出力を有効にしてみる という対処があります(設定場所は未確認)。

テレビのHDMI 4につないだ機器で、4K 100Hz/120HzやVRRにならない場合

  • その端子のHDMI信号フォーマットを変更したか。 場所は [設定]—[放送と外部入力]—[外部入力設定]—[HDMI信号フォーマット/VRR設定]— 設定したいHDMI端子 です。XR50シリーズのサポート情報の表記は [拡張フォーマット(詳細)]、BRAVIA 5ヘルプガイドが選択肢として挙げる表記は [拡張フォーマット(高機能)] です。この2つは別の公式情報の表記なので、実機の画面表示に従ってください。
  • ケーブルの条件を満たしているか。 ヘルプガイドは4K 120Hz/8Kに48Gbps対応ウルトラハイスピードHDMIケーブルが必要、サポート情報は一部の機器でウルトラハイスピードHDMIケーブルが必要としています。
  • ゲーム機側の出力設定は、この記事の範囲外です。

Q85H ProのHDMI入力1・2につないだ機器で、映像が思ったとおりにならない場合

  • 送りたい信号が、取扱説明書のUHD信号表に載っている組み合わせか。 とくに 144fpsの10bit・12bitはYCbCr 4:2:0のみ、120fpsの12bitもYCbCr 4:2:0のみです。機器側の出力設定(解像度・リフレッシュレート・色深度・クロマ)を見直してください。
  • 表に載っていても、公式の注記どおり、つないだ機器や使用条件によって対応仕様が異なる場合があります。
  • テレビ側で受けられる範囲も関わります。 ソニー公式の入力信号一覧で◯とされているのは4K/120Hzで、4K 144Hzについては未確認です。
  • それでも解決しない場合、その機器をテレビの HDMI 4 に直接つなぐ構成に切り替えると、確認すべき条件がテレビ側の公式情報だけで閉じます。ただしその場合も、前掲のHDMI信号フォーマットの設定とケーブルの条件は必要です。

ここに挙げていない症状や原因については、この記事では判断しません。


迷いやすい点の整理

  • 「HDMI eARC」はテレビとつなぐ端子、「HDMI入力1・2」は機器をつなぐ端子。 名前が似ていますが役割は逆です。
  • テレビのHDMI 3はサウンドバー専用、HDMI 4がゲーム機用。 4K/120Hz・VRR・ALLM・HDCP2.3はHDMI 3・HDMI 4のどちらも対応とされていますが、HDMI 3はeARC/ARCで使うためです。
  • 「対応」と書かれていても、設定が必要な場合があります。 テレビのHDMI信号フォーマットの変更がその例です。
  • 「未確認」は「非対応」ではありません。 付属HDMIケーブルの条件、Q85H Proが受け取れる音声フォーマット、K-55XR50の4K 144Hz入力などがこれにあたります。
  • 商品ページの表示と取扱説明書の表は、粒度が違います。 「4K 144Hz」という表示と、144fpsの色深度・クロマの表は別々に読んでください。

この記事で扱わないこと

以下は確認範囲に含まれないため、この記事では判断しません。いずれも「未確認」であって、「非対応」という意味ではありません。

  • 付属HDMIケーブルが、テレビ側の「イーサネット対応HDMIケーブル」の条件を満たすかどうか。
  • Q85H Proが入力として扱える音声フォーマットの一覧。 この記事が示したのはテレビ側(BRAVIA 5)の出力側の記載だけです。
  • Q85H Pro側のソース切り換えの操作方法や、その他の設定メニューの名称・階層。
  • Q85H ProのUSB/Bluetoothの各ソースでできること。
  • K-55XR50が4K 144Hzの入力を表示できるかどうか。
  • VRR・ALLMのパススルーが、Q85H Proの取扱説明書で裏づけられるかどうか。 この記事が確認できたのは商品ページの表示までです。
  • テレビの電源とQ85H Proの電源の連動、テレビのリモコンによる音量操作など、CECを有効にした結果として実際に何が連動するか。
  • 光デジタル接続を使う場合の、テレビ側・サウンドバー側のその他の設定項目。 PCM出力を有効にする設定の具体的な場所を含みます。
  • テレビ内のアプリやゲーム機など、機器ごと・コンテンツごとに実際どのフォーマットで届くか。
  • Q85H Proの音質・サウンドモード・設置方法・その他の仕様。
  • Q85H Pro以外のTCL製サウンドバー、およびK-55XR50以外のBRAVIAの仕様。

これらは、それぞれのソニー公式情報・TCL公式情報を直接確認してください。


まとめ

  • 基本はHDMI eARC。 Q85H Proの HDMI eARC 端子と、K-55XR50の HDMI 3 をHDMIケーブル1本でつなぐ。HDMI入力1・2はテレビ用ではない。
  • ケーブルは、テレビ側の条件(イーサネット対応HDMIケーブル)を満たすと確認できるものを使う。 Q85H Proには付属HDMIケーブルがあるが、テレビ側の条件と同じかは未確認。
  • テレビ側の設定は3つ。 [ブラビアリンク機器制御]を有効/[オーディオシステム設定]—[eARC設定]—[オート]/[設定]—[画面と音声]—[音声出力]—[スピーカー出力]—[オーディオシステム]。TCL側も、テレビのCEC機能を有効にするよう案内している。
  • サウンドバー側は、ソースの選択が必要。 テレビの音は HDMI eARC、HDMI入力1・2につないだ機器はそれぞれ HDMI入力1/HDMI入力2。
  • ゲーム機はテレビの HDMI 4 が基本。 ただし挿すだけでは足りず、HDMI信号フォーマットの変更とケーブルの条件が必要。表記は、XR50向けサポート情報が[拡張フォーマット(詳細)]、BRAVIA 5ヘルプガイドが[拡張フォーマット(高機能)]。2つを1つに書き直さず、画面表示に従う。
  • Q85H ProのHDMI入力1・2に直接つなぐ構成も成り立つ。 取扱説明書で明確なのは 4K 120Hzパススルー と HDR10/HDR10+/Dolby Visionパススルー。UHD信号表(3840×2160p)は、144fpsは8bitで4:4:4・4:2:2・4:2:0が対応、10bitと12bitはYCbCr 4:2:0のみ、120fpsは8bit・10bitで4:4:4・4:2:2・4:2:0が対応、12bitはYCbCr 4:2:0のみ。「接続された外部デバイスまたは使用条件によって対応仕様が異なる場合があります」という公式の注記も併せて読む。
  • 商品ページには Native 4K 144Hz/VRR/ALLM/Dolby Vision パススルー の表示がある。 ただしこれは色深度・クロマの全組み合わせを保証するものではなく、VRR・ALLMについてこの記事が確認できたのは商品ページの表示まで。
  • 音声フォーマットの一覧は、テレビ側(BRAVIA 5)の出力側の記載。 eARCモードのほうがARCモードより挙げられている範囲が広い。Q85H Pro側が受け取れる範囲は未確認で、両者を重ねた保証はしない。
  • 光デジタルは代替手段。 テレビ側は光デジタル音声出力端子1系統(AAC/PCM/AC3/DTS)、サウンドバー側にも光デジタル接続がある。光デジタルで音が出ないときは、PCM信号の出力を有効にしてみる(設定場所は未確認)。
  • 音が出ないときの基本の確認は、接続・正しいソース・音量・ミュートの4点+テレビ側の[スピーカー出力]/[eARC設定]/[ブラビアリンク機器制御]。

出典:ソニー公式 HDMI入力信号一覧(ブラビアのHDMI入力信号一覧)/ソニー公式サポート情報(テレビのHDMI端子でサポートされている機能)/ソニー公式ヘルプガイド(BRAVIA 5)/ソニー公式仕様表(BRAVIA 5 XR50シリーズ)/TCL公式 Q85H Pro 取扱説明書/TCL公式 Q85H Pro 商品ページ