HDMIケーブルは、どの機器の間で、何を送りたいかを決めてから選びます。テレビからサウンドバーへeARCで音を戻す区間と、ゲーム機からテレビへ4K/120Hzの映像を送る区間では、確認する条件が異なります。
まず手元のケーブルの正式名称と認証表示を調べ、両機器の説明書にある条件と照合してください。目的に合うと確認できたケーブルを候補にすれば、規格の数字が大きいものへ一律に買い替える必要はありません。
1. ケーブルを一本ずつ、接続する区間で分ける
機器の型番と販売国、使う端子、送りたい映像・音声を控えます。複数のケーブルがある場合は、次のように区間を分けて確認します。
| 接続する区間 | 先に確認すること |
|---|---|
| テレビとサウンドバー | テレビの音をARC/eARCで戻すための端子と、両機器が指定するケーブル・音声設定 |
| ゲーム機・プレーヤーとテレビ | 4K120など、使いたい映像信号に対応するテレビ入力とケーブル |
| 再生機器とサウンドバー、そのサウンドバーとテレビ | バーの外部機器用HDMI入力、音声対応、映像をテレビへ通す能力、両区間のケーブル |
ケーブルを替えても、端子や機器が対応していない機能を追加できるわけではありません。 「HDMI 2.1」「4K対応」といった表示だけで決めず、目的の信号と公式ケーブル名、接続する両機器の条件を確認します。
サウンドバー経由にする場合は、音声と映像を別々に見てください。たとえばAppleは、Apple TV 4Kをオーディオ機器のHDMI入力へつなぎ、そのHDMI出力をテレビへつなぐ方法を案内しています。一方、Atmos対応のオーディオ機器でもHDR10やDolby Visionに対応しない場合があるため、両方を使うなら映像の対応も確認が必要です。
また、Apple TV 4Kが使う高帯域幅のAtmosはARC接続では機能しないとAppleは説明しています。この条件も、ケーブルのグレードだけで解決すると考えず、接続経路から確認します。
2. 正式名称と認証ラベルを確かめる
HDMI Licensing Administrator(HDMI LA)は、ケーブルの外被への公式ケーブル名、包装への名称ロゴまたは適切な認証ラベルの表示を案内しています。まずケーブル本体と包装に、どの名称が書かれているかを見ます。
主な名称と公表されている範囲
| 公式ケーブル名 | 公表されている最大帯域 | HDMI LAが挙げる映像の例 |
|---|---|---|
| Premium High Speed HDMI Cable/Premium High Speed HDMI Cable with Ethernet | 18Gbps | 4K60、HDR、BT.2020 |
| Ultra High Speed HDMI Cable | 48Gbps | 8K60、4K120 |
| Ultra96 HDMI Cable | 96Gbps | 非圧縮8K60・4K240の4:4:4、10/12bit |
この表は名称ごとの帯域上限と映像の例です。すべての解像度・色深度や機器の組み合わせを保証するものではありません。後述するSonyの4K120接続例では、ゲーム機の同梱ケーブルまたはUltra High Speedが案内されています。4K120を使うために、常にUltra96が必要ということではありません。
認証は型番だけでなく、使う長さまで照合する
Ultra High SpeedとUltra96は、認定試験所での認証試験と、包装または販売単位への認証ラベルが必要です。HDMI LAの案内では、ラベルを一般のQRコード読み取りアプリで確認できます。
- 包装などの認証ラベルを読み取ります。
- 表示されたブランド名・型番・長さを、手元の品物や購入予定の商品と照合します。
- 販売サイトに公式の認証バナーがある場合は、そのバナーをクリックまたはスキャンした結果も確認します。
Premium High Speedも、型番ごとの各長さについて認証試験を行い、認証製品には偽造防止ラベルと個別QRコードがあります。確認方法は、記事末尾の参照資料にあるHDMI LAの「Premium HDMI Cable Certification Program」で確認してください。従来サイズの認証ラベルも有効なので、ラベルが新しい小型版と違うだけで偽物と判断しないでください。
読み取れない、商品と結果が一致しない、正式名称が分からない場合は、認証済みと断定せず販売元やメーカーへ確認します。認証の照合と、接続する機器同士の互換性確認は、両方が必要です。
3. 対応端子につなぎ、入力・出力設定を確認する
ここからは、日本向けBRAVIA 9/8/8 II/7/5/A95Lを対象とするSonyの共通ヘルプに基づく例です。端子の位置・番号や利用できる機能は機種によるため、手元のテレビとオーディオ機器の説明書を合わせて確認してください。
テレビとサウンドバーをeARCでつなぐ区間
SonyのeARC接続図は、イーサネット対応HDMIケーブルを指定し、認証済みのPremium High Speed HDMIケーブルを推奨しています。ケーブルを確認するときは、イーサネット対応の表記も確かめます。
ここで確認するのはケーブルの仕様です。HDMI Ethernet Channel(HEC)はネットワーク機能で、その利用には両端機器のHEC対応が必要です。このネットワーク機能とeARCの接続条件は分けて確認します。
- テレビのeARC対応入力と、オーディオ機器のテレビ接続用HDMI端子を、両機器の説明書で確認してつなぎます。テレビ側は「eARC/ARC」の表示を確認してください。
- テレビの[設定]→[画面と音声]→[音声出力]→[オーディオシステム設定]→[eARC設定]を[オート]にします。
- [音声出力]→[スピーカー出力]を[オーディオシステム]にします。
- オーディオ機器側でもeARC機能を有効にします。操作方法は、その機器の説明書で確認してください。
テレビの設定だけで終わらせず、オーディオ機器側の設定まで確認してから、テレビの音を再生します。
ゲーム機からテレビへ4K120を送る区間
同じSony共通ヘルプは、4K120対応ゲーム機との接続に、ゲーム機に同梱されているHDMIケーブル、またはUltra High Speed HDMIケーブルを案内しています。テレビとバーのeARC区間とは分けて選びます。
- テレビ端子の「4K120」表示、またはVRRの選択肢がある対応入力を確認します。端子番号は個別の説明書と照合してください。
- 接続後、画面の案内または[HDMI信号フォーマット/VRR設定]を確認します。共通ヘルプは4K120向けに[拡張フォーマット(高機能)]を案内していますが、機種ごとの画面表示と説明書に照らし合わせて設定してください。
- VRRを使う場合は、対応する機器と入力で有効にします。Sonyは、出力コンテンツの周波数によって画面がわずかにちらつく場合があると案内しています。
サウンドバーを経由させるなら、バーが希望する映像を通せるかも確認します。テレビ側やケーブルの4K120対応だけでは、バーを含めた経路全体の条件は決まりません。
4. 目的の映像・音声で確認し、結果を控える
実際に使いたいゲームや作品を再生し、映像と音声を確認します。目的の信号、ケーブル、端子、設定が確認でき、期待した状態で使えたら、その接続条件を控えておきましょう。
期待した形式にならないときは、使用端子・各機器の対応・入力や出力の設定に戻って確認します。形式が分からない場合は「未確認」とし、機種別の接続ガイド一覧や手元の機器の公式説明書で調べます。
販売元やメーカーへ相談するときは、次の情報をまとめると、どの区間を確認すべきか伝えやすくなります。
- テレビ・サウンドバー・再生機器の型番と販売国
- 機器をつないだ順番と、使っている端子の表示
- ケーブルの正式名称、ブランド、型番、長さ、認証ラベルの確認結果
- 使いたい映像・音声と、実際に表示される形式や症状
- 確認した入力・出力設定と、試した接続区間
変換器・分配器・切替器、長距離配線やアクティブケーブルの個別条件は、この記事では確認していません。使っている場合は、途中にある機器とケーブルの説明書も確認してください。
Atmosの表示が出ない場合はDolby Atmosの再生経路を確認するガイド、映像と音のタイミングが合わない場合はテレビとサウンドバーの音ズレを切り分けるガイドへ進めます。