結論

BRAVIA 5「K-55XR50」とサムスン「HW-Q990H」は、HDMI eARCでつなぐのが基本です。差す場所は次の2か所です。

  • テレビ側:HDMI 3(Sony公式のHDMI入力信号一覧で、XR50シリーズのeARC/ARC対応入力とされている端子)
  • サウンドバー側:テレビへつなぐためのHDMI出力(Samsung公式のHW-Q990Hの製品仕様では、HDMI出力1系統・HDMI ARC: Yes (eARC) と記載されています)

やることは、順番に並べると次の5つです。

  1. Sony側が求めるHDMIケーブルを用意する(Sony公式ヘルプガイドの表記はイーサネット対応HDMIケーブル(別売))
  2. テレビの HDMI 3 と、HW-Q990Hのテレビ用HDMI出力(eARC/ARC)を結ぶ
  3. テレビ側で[オーディオシステム設定]—[eARC設定]—[オート]にする
  4. テレビ側で[設定]—[画面と音声]—[音声出力]—[スピーカー出力]—[オーディオシステム]にする
  5. HW-Q990H側の入力を「D.IN」にして、ARC/eARC接続が認識されていることを確認する

あわせて、テレビのリモコンでの連動を使いたい場合は、テレビ側で**[ブラビアリンク機器制御]を有効**にします(HDMI-CECの経路をテレビ側で有効にする設定です)。

先に線を2本引いておきます。

1本目:この組み合わせで「eARC経由のマルチチャンネルリニアPCMが届く」とは、この記事は書きません。 テレビ側のeARCのフォーマット一覧に7.1chリニアPCMが挙がっていること(Sony側の記載)と、HW-Q990Hの仕様に「LPCM: Multi channel」「HDMI ARC: Yes (eARC)」と書かれていること(Samsung側の記載)は、別々の公式情報です。この2つを足しても、「この2台のeARC経路でマルチチャンネルリニアPCMが成立する」ことの確認にはなりません(未確認)。 「非対応」という意味でもありません。

2本目:HW-Q990HのHDMI入力に外部機器を直結する構成で確認できているのは、HDMI入力2系統と4K映像パススルー120Hzまでです。 VRR・ALLM・Dolby Visionのパススルーは、この記事の確認範囲では未確認です。テレビ側で確認できている4K120/VRR/ALLMを確実に使いたいとき、またはDolby Visionのようにサウンドバー直結では未確認の映像機能が関わるときは、機器 → テレビの HDMI 4 → eARC(HDMI 3)→ サウンドバーという、テレビ経由の安全側の経路を選んでください。


この記事が対象にしているモデル

  • テレビ:Sony BRAVIA 5「K-55XR50」(XR50シリーズ)
  • サウンドバー:サムスン 「HW-Q990H」

HW-Q990HについてSamsung公式の製品仕様から確認できるのは、11.1.4chという構成です。スピーカーの構成内容、サブウーファーやリアスピーカーの同梱有無・設置手順は、この記事が参照した情報の範囲では扱いません。

同じブランドでも、型番が違えば端子構成も対応フォーマットも変わります。HW-Q990H以外のサムスン製サウンドバー、K-55XR50以外のBRAVIAについて、この記事は何も述べません。 型番の似た別モデルの数値をこの記事に持ち込むこともしません。

根拠として使うのは、Sony公式とSamsung公式の情報だけです。なお、この記事がSamsung側の根拠として使っている情報には、HW-Q990Hの型番指定の製品仕様(Samsung公式の製品ページ・英国サイト)と、サムスン製サウンドバー全般に向けた接続案内・トラブルシューティング案内の2種類があります。後者は型番指定の情報ではないため、この記事では接続の考え方と確認手順のレベルで使い、細かな表示や挙動を保証するものとしては扱いません。販売地域による仕様差についても、この記事は判断しません(未確認)。

公式表記から読み取れないことは、未確認としてそのまま残します。「未確認」は「非対応」ではありません。 読み取れなかった、という意味です。

この記事で使う用語

  • HDMI eARC / ARC:テレビとサウンドバーをHDMIケーブル1本で結び、テレビ側の音をサウンドバーへ送るしくみ。eARCはARCの拡張版です。
  • パススルー(映像):サウンドバーのHDMI入力につないだ機器の映像を、サウンドバーを通してテレビへ送ること。
  • パススルー(音声):テレビのHDMI入力につないだ外部機器の音声を、テレビのeARC/ARC端子からオーディオシステムへ送ること。
  • D.IN:サムスン製サウンドバー側の入力名。テレビからのARC/eARC経路と、光デジタル入力の経路で使います。
  • HDMI-CEC:HDMIでつないだ機器どうしを連動させるしくみ。サムスン側ではこの機能を「Anynet+」と呼び、Sony側では「ブラビアリンク」として設定します。
  • リニアPCM(LPCM):圧縮していない音声形式。2chと、複数chをまとめて送るマルチチャンネルがあります。

1. なぜHDMI eARCを基本にするのか

理由は2つです。

1つめ:両側の公式情報が、eARCの受け口と出口としてかみ合っています。 Sony公式のHDMI入力信号一覧では、BRAVIA 5(XR50シリーズ)のeARC/ARC対応入力として HDMI 3 が示されています。Samsung公式のHW-Q990Hの製品仕様では、HDMI出力1系統、HDMI ARC: Yes (eARC) と記載されています。テレビ側に受け口があり、サウンドバー側に出口がある、というところまでは確認できます。

2つめ:テレビ側の光デジタル出力のフォーマット表記は、eARCの一覧より狭いためです。 Sony公式ヘルプガイドのBRAVIA 5の音声フォーマット案内では、eARC/ARC(HDMI3入力のみ)のeARCモードとして次が挙げられています。

  • 7.1 channel linear PCM
  • Dolby Audio / Dolby Atmos
  • DTS / DTS-HD Master Audio / DTS-HD High Resolution Audio / DTS:X
  • MPEG2-AAC / MPEG4-AAC

一方、K-55XR50の光デジタル音声出力端子の欄にSony公式の仕様表が併記しているのは AAC/PCM/AC3/DTS です。まずeARCで組み、どうしても使えないときに光デジタルへ落とす——これがこの記事の順番です。

ここで挙げたeARCの一覧は、テレビ側が出せる範囲の記載です。つないだサウンドバーがこれらをすべて受け取れることや、あらゆるアプリ・外部機器・コンテンツ・設定で必ずこの形式が届くことを意味するものではありません。


2. 用意するケーブル

Sony公式ヘルプガイドのBRAVIA 5のeARC接続(HDMI接続)の説明では、使うケーブルは イーサネット対応HDMIケーブル(別売) とされています。

HW-Q990Hに付属するケーブルの内容は、この記事が参照した公式情報の範囲では確認していません。 したがって、「サウンドバーに付いてきたHDMIケーブルを使えばSony側の条件を満たす」とは、この記事では書きません。 逆に「使えない」とも書きません。どちらも読み取れないためです。

いちばん確実なのは、Sony側が求めている「イーサネット対応HDMIケーブル」の条件を満たすケーブルを用意することです。手元のケーブルを使う場合は、パッケージや仕様表記を確認してください。

なお、外部機器をHW-Q990HのHDMI入力に直結する構成を使う場合は、テレビ↔サウンドバー用とは別に、機器→サウンドバー用のHDMIケーブルがもう1本必要です。1本を兼用することはできません。


3. 接続する(テレビ HDMI 3 ↔ HW-Q990HのHDMI出力)

つなぐのは次の1本です。

  • テレビ K-55XR50 → HDMI 3
  • サウンドバー HW-Q990H → テレビ用のHDMI出力(eARC/ARC)

テレビ側は入力の選び間違いが起きやすいところです。HDMI 3と覚えてください。ほかのHDMI入力に挿すと、テレビの音をサウンドバーへ返す経路になりません。

サウンドバー側は、HDMI入力(HDMI IN)ではなくHDMI出力です。Samsung公式のHW-Q990Hの製品仕様では、HDMI入力2系統/HDMI出力1系統/HDMI ARC: Yes (eARC) と記載されています。テレビへつなぐ出口は、このHDMI出力のほうです。HDMI入力2系統は、後述の「外部機器の直結」で使う入口です。

テレビ用HDMI出力の呼び方について

サムスン製サウンドバー全般に向けた公式案内では、テレビへつなぐ側の端子の呼び方が案内ごとに別の表記になっています。

  • 接続案内の表記:テレビのHDMI入力(ARC)→ サウンドバーの HDMI OUT (TV-ARC)
  • トラブルシューティング案内の表記:テレビのARC/eARC → サウンドバーの HDMI TO TV (eARC/ARC)

この2つは、別々のサムスン公式案内に書かれた別の表記です。 この記事では、どちらかに寄せたり、混ぜて第三の名前を作ったりはしません。実機の刻印がどちらの表記になっているかは、この記事の確認範囲では未確認です。**「テレビへ出す側のHDMI端子」**として探してください。


4. テレビ側の設定(K-55XR50)

Sony公式ヘルプガイドの表記どおりに書くと、次の3つです。メニュー名はいずれも公式表記のままで、それ以外の項目をこの記事が推測で補うことはしません。

4-1. eARC設定をオートにする

[オーディオシステム設定]—[eARC設定]—[オート]

Sony公式ヘルプガイドのHDMI接続(eARC対応)の手順に記載されている設定です。

4-2. スピーカー出力を「オーディオシステム」にする

[設定]—[画面と音声]—[音声出力]—[スピーカー出力]—[オーディオシステム]

テレビの音の出し先を、内蔵スピーカーからサウンドバー側へ切り替える設定です。Sony公式ヘルプガイドのこの案内は、HDMIケーブルでつないだ場合と光デジタルケーブルでつないだ場合の両方を対象としています。あとで光デジタルへ切り替えたときも、この設定は同じく必要です。

4-3. ブラビアリンク機器制御を有効にする

[設定]—[放送と外部入力]—[外部入力設定]—[ブラビアリンク設定]—[ブラビアリンク機器制御]を有効にする

HDMI経由の機器連動(HDMI-CEC)を、テレビ側で有効にする設定です。Samsung公式のHW-Q990Hの製品仕様にもHDMI-CEC対応の記載があります。また、サムスン製サウンドバー全般の案内では、HDMI-CECはサウンドバー側の「Anynet+」という機能名で説明され、テレビ側のHDMI-CECを有効にすること、テレビがサムスン製でない場合はそのテレビの説明書に従うことが案内されています。K-55XR50側の該当設定が、上記の[ブラビアリンク機器制御]にあたります。

Sony公式ヘルプガイドが案内しているのはこの設定項目とメニュー階層までで、「すべてのサウンドバーで必ずこれが前提になる」と書かれているわけではありません。この組み合わせの手順としてここに置いているのは、この記事の判断です。

メーカーをまたぐHDMI-CECの連動が、電源・音量・入力切り替えなどでどこまで思いどおりに動くかは、この記事の確認範囲では未確認です。 「両側でCECを有効にすれば、あらゆる連動が保証される」とは書きません。


5. サウンドバー側の入力(D.IN)と認識の確認

テレビの音をHW-Q990Hから鳴らすとき、**サウンドバー側の入力は「D.IN」**です。サムスン製サウンドバー全般の接続案内でも、**テレビからのARC経路と光デジタル経路の入力は「D.IN」**とされています。

手順としては、次のように進めてください。

  1. HW-Q990Hの入力を「D.IN」にする。
  2. ARC/eARC接続が認識されている状態になっていることを確認する。(サムスンのトラブルシューティング案内でも、「D.INを選び、TV ARC/eARCの動作を確認する」という確認項目が挙げられています)

サムスン製サウンドバー全般の接続案内には、テレビと連携したあとの表示例として「TV ARC」という表記が出てきます。ただしこれは型番指定の情報ではないため、この記事は「TV ARC」という特定の文字列が必ず表示される/表示されなければならない、という書き方はしません。 大事なのは、D.INを選んだうえで、テレビからのARC/eARCの音が認識されている状態になっていることです。表示の文言そのものは、機器やソフトウェアの版によって異なり得ます。

外部機器をサウンドバーのHDMI入力に直結した場合は、入力を「HDMI」に切り替えます(後述)。テレビにつないだ機器の音を聴くときは、D.INのままでかまいません。テレビ側の入力を、その機器に切り替えてください。


6. 音声フォーマットの読み方(ここが最大の注意点)

この組み合わせでいちばん誤解が起きやすいところです。 両側の記載を、まず別々に並べます。

テレビ側(Sony公式ヘルプガイドのBRAVIA 5の音声フォーマット案内)

モード リニアPCM そのほか
eARCモード 7.1 channel linear PCM Dolby Audio/Dolby Atmos/DTS/DTS-HD Master Audio/DTS-HD High Resolution Audio/DTS:X/MPEG2-AAC/MPEG4-AAC
ARCモード Two channel linear PCM Dolby Audio/Dolby Atmos/DTS/MPEG2-AAC/MPEG4-AAC

サウンドバー側(Samsung公式のHW-Q990Hの製品仕様)

  • Dolby関連の表記:Dolby Atmos/Dolby TrueHD/Dolby Digital Plus
  • LPCM: Multi channel
  • HDMI ARC: Yes (eARC)

足し算をしない

この2つを足して、「この2台のeARC経路でマルチチャンネルリニアPCMが届く」と書くことは、この記事ではしません。

理由は、片方はテレビが出せる範囲の記載、もう片方はサウンドバーの仕様に並んだ項目であり、「この特定のeARC経路で、マルチチャンネルリニアPCMの受け渡しが成立する」ことを示した公式情報ではないからです。したがって、この組み合わせのeARC経由のマルチチャンネルリニアPCMは未確認です。「非対応」という意味ではありません。 確認できていない、という意味です。

同じ理由で、テレビ側の一覧にあるフォーマットを、そのままHW-Q990H側の対応として読み替えることもしません。 たとえばテレビ側の一覧にはDTS系やMPEG4-AACが挙がっていますが、この記事が参照したHW-Q990Hの仕様には、DTS系やMPEG-4 AACの記載は見当たりません(未確認)。 逆に、HW-Q990H側にDolby系の表記があることも、あらゆるアプリ・機器・コンテンツで必ずその形式が届くことの保証ではありません。

実際に鳴る範囲は、両側が実際に扱える範囲の重なりまでです。この記事は、その重なりを公式情報を超えて広げません。


7. 外部機器のつなぎ方:サウンドバー直結とテレビ経由

この組み合わせのもう一つの分かれ道です。ゲーム機やプレーヤーのつなぎ先には、2つの選択肢があります。

7-1. サウンドバー直結(HW-Q990HのHDMI入力を使う)

HW-Q990Hには HDMI入力が2系統 あります。サムスン製サウンドバー全般の接続案内では、この構成は次のように示されています。

  1. 外部機器のHDMI OUT → HW-Q990HのHDMI IN
  2. HW-Q990HのHDMI出力 → テレビの HDMI 3(この組み合わせではeARC/ARC対応入力である HDMI 3)
  3. サウンドバー側の入力を「HDMI」にする
  4. 映像はテレビに映り、音はサウンドバーから出る

この直結経路で確認できている映像の範囲は、Samsung公式のHW-Q990Hの仕様に記載された 4K映像パススルー120Hz までです。

HW-Q990Hの直結経路での VRR・ALLM・Dolby Visionのパススルーは、この記事の確認範囲では未確認です。 「4K 120Hzまで通せる」という記載や「HDR 10+」の記載から、VRR・ALLM・Dolby Visionを読み取ることはしません。対応しているとも、していないとも書きません。

また、HW-Q990Hの仕様にある HDR 10+ という表記は、サウンドバー側の仕様欄の記載です。K-55XR50と組み合わせたときに、この経路で端から端までHDRが成立することを示すものではありません(未確認)。

7-2. テレビ経由(機器 → テレビ HDMI 4 → eARC → サウンドバー)

もう一つは、外部機器をテレビへ直接つなぎ、音だけをeARCでサウンドバーへ返す構成です。

Sony公式ヘルプガイドは、BRAVIA 5について、eARC/ARCと記載されているHDMI端子を使うと、テレビにつないだ外部入力機器の音声信号を、eARCに対応したオーディオシステムへ出力(パススルー)できると案内しています。Samsung公式のHW-Q990Hの仕様には HDMI ARC: Yes (eARC) の記載があります。つまり、

  1. 外部機器 → テレビのHDMI入力(HDMI 3 はサウンドバーが使うので、HDMI 4 が基本)
  2. テレビ HDMI 3 → HW-Q990H(eARC)
  3. サウンドバー側の入力は「D.IN」のまま

という組み方が成り立ちます。

これは経路が成立するという記載であって、どんなコンテンツでも特定のフォーマットで届くことの保証ではありません。 実際に何が届くかは、機器・コンテンツ・テレビ側の設定・経路によって変わります。

7-3. どちらを選ぶか

テレビ側で確認できている4K120/VRR/ALLMが関わるなら、テレビ経由(7-2)にしてください。 これがこの記事の推奨です。Dolby VisionやHDRのように、サウンドバー直結では未確認の映像機能を保ちたい場合も同じで、映像はテレビへ直接入れ、テレビ側の外部入力経路がもともと提供する範囲をそのまま生かしてください。

K-55XR50自体のDolby Vision対応については、この記事が参照した公式情報からは読み取れないため、この記事は何も述べません(未確認)。 ここで言っているのは「サウンドバーを間に挟むことで未確認の経路を増やさない」という選び方であって、テレビ側の対応を保証するものではありません。

根拠は、テレビ側の確認範囲がはっきりしていることです。Sony公式のHDMI入力信号一覧では、XR50シリーズについて 4K/120Hz・VRR・ALLM・HDCP2.3 のいずれも HDMI 3 と HDMI 4 が対応とされています。一方、eARC/ARC対応の入力は HDMI 3 のみです。HDMI 3 はサウンドバーが使うので、これらの機能を使いたい機器は HDMI 4 へ——という組み方になります。

対して直結(7-1)は、4K120までの映像パススルーは確認できているものの、VRR・ALLM・Dolby Visionが未確認です。確認できていない機能を当てにした構成を勧めることは、この記事ではしません。

サウンドバー直結(7-1) テレビ経由(7-2)
機器のつなぎ先 HW-Q990HのHDMI IN(2系統) テレビの HDMI 4
サウンドバーの入力 HDMI D.IN
映像で確認できている範囲 4K 120Hzまでのパススルー テレビ側で 4K120/VRR/ALLM/HDCP2.3
未確認 VRR・ALLM・Dolby Visionのパススルー、K-55XR50との端から端までのHDR 各機器・コンテンツで実際に届く音声フォーマット

HDMI入力の数の面でも、直結には上限があります。 HW-Q990HのHDMI入力は2系統です。つなぎたい機器が3台以上あるなら、テレビ側の入力も併用することになります。


8. テレビ側の映像設定(挿すだけでは足りない場合)

4K 100Hz/120Hzを通したい場合、HDMI端子に挿しただけでは成立しません。 根拠になるSony公式情報は2つあり、それぞれ別の表記です。

  • XR50シリーズ向けのSony公式サポート情報:4K 100Hz/120Hz信号は HDMI 3/4 に対応。使う HDMI 3 または HDMI 4 のHDMI信号フォーマットを[拡張フォーマット(詳細)]に設定する。一部の機器ではウルトラハイスピードHDMIケーブルが必要。
  • BRAVIA 5共通のSony公式ヘルプガイド:設定場所は [設定]—[放送と外部入力]—[外部入力設定]—[HDMI信号フォーマット/VRR設定]—(設定したいHDMI端子)。選択肢として [拡張フォーマット(高機能)] が挙げられており、選べる信号フォーマットは機種によって異なります。4K 120Hzまたは8Kには48Gbps対応のウルトラハイスピードHDMIケーブルが必要。

[拡張フォーマット(詳細)]と[拡張フォーマット(高機能)]は、別々のSony公式情報に書かれた別の表記です。 この記事では、どちらかに寄せたり、混ぜて第三の名前を作ったりはしません。

設定する端子は経路によって変わります。

  • テレビ経由(7-2)で機器を HDMI 4 につないだ場合 → HDMI 4 の信号フォーマットを設定します。
  • サウンドバー直結(7-1)で、映像が HW-Q990H → テレビ HDMI 3 と流れる場合 → HDMI 3 側の設定が対象になります。この構成では映像が2本のHDMIケーブル(機器→サウンドバー、サウンドバー→テレビ)を通過するため、両方のケーブルを、それぞれの公式情報が示す条件の範囲に収める——これがこの記事の判断です。

ここで扱うのは経路が成立するための前提までです。個々の機器がどの信号を出すか、画質の追い込みは、この記事の範囲外です。


9. [デジタル音声出力設定]をどう扱うか

Sony公式ヘルプガイドには、接続するオーディオシステムによっては[デジタル音声出力設定]が必要になる場合があるという記載があります。設定の場所は、接続方法によって別の階層です。

  • HDMI接続の場合:[設定]—[画面と音声]—[音声出力]—[オーディオシステム設定]—[デジタル音声出力設定]
  • 光デジタル接続の場合:[設定]—[画面と音声]—[音声出力]—[光デジタル音声出力設定]—[デジタル音声出力設定]

そのうえで、この記事は、どのモードが正解かを一律には決めません。 Sony公式のこの案内自体が、一律の既定値を定めていないためです。

[PCM固定]を既定にしない

Sony公式が[PCM固定]の条件として挙げているのは、オーディオシステムがドルビーデジタルやDTSに非対応の場合です。HW-Q990Hの仕様にはDolby関連の表記(Dolby Atmos/Dolby TrueHD/Dolby Digital Plus)が並んでおり、「Dolbyに非対応」という前提には当てはまりません。一方でDTSについては、この記事が参照した仕様に記載が見当たらず未確認です。したがって「とりあえずPCM固定にする」という案内も、「PCM固定は絶対に不要」という断定も、この記事ではしません。

[パススルー優先]を既定にしない

Sony公式が[パススルー優先]の条件として挙げているのは、BS4K/110度CS4K放送のMPEG-4 AAC音声を、MPEG-4 AACデコード対応のオーディオシステムへMPEG-4 AACとして出力する場合です。HW-Q990HのMPEG-4 AAC対応は、この記事の確認範囲では未確認なので、この条件が成立するとは書けません。

Sony公式は、[パススルー優先]の注意として、システム音や音声応答が出力されないこと、内蔵マイク搭載モデルでは音声認識性能が低下する場合があることも挙げています。とりあえず選ぶ設定ではありません。

実際の判断のしかた

音が出ない・特定のコンテンツだけ鳴らないなど、フォーマットの食い違いが疑われるときに、最後にこの設定を見てください。 見るときの基準は、テレビ側の出力設定が、HW-Q990Hがその経路で実際に扱える範囲に収まっているかです。先に配線・入力・スピーカー出力を確認するほうが先です(第12章)。


10. サムスン側の機能で、この組み合わせに持ち込まないもの

HW-Q990Hの製品仕様には、サムスン独自の機能もいくつか挙がっています。そのうち次の2つは、この組み合わせの前提にしません。

Q-Symphony

Samsung公式のHW-Q990Hの製品ページでは、Q-Symphonyは対応するサムスン製テレビとサウンドバーのスピーカーを組み合わせる機能として示されています。つまり対象はサムスン製テレビに限られます。

K-55XR50はソニー製テレビです。したがって、この記事はQ-Symphonyをこの組み合わせで使える機能としては扱いません。 HDMI eARCの代わりになるものでもありません。

Wireless Dolby Atmos(Wi-Fi経由のテレビ接続)

HW-Q990Hの製品仕様にはWi-Fi対応とWireless Dolby Atmosの記載がありますが、製品ページの注記では、**Wi-Fi経由のテレビ音声伝送の対象はサムスン製テレビ(2022〜2026年モデル)**とされています。

この記載を、ソニー製のK-55XR50へ一般化することはしません。 この組み合わせの基本は、あくまでHDMI eARCの有線接続です。無線接続でテレビの音を飛ばす構成に置き換えることはしません。


11. HDMI eARC/ARCが使えないときの代替:光デジタル

HDMI eARC/ARCがどうしても使えない場合は、光デジタル接続が代替手段になります。材料は両側にそろっています。

  • テレビ側:Sony公式の仕様表で、K-55XR50に光デジタル音声出力端子×1(併記されている表記は AAC/PCM/AC3/DTS)。
  • サウンドバー側:Samsung公式のHW-Q990Hの仕様で、光デジタル入力1系統。

手順は次のとおりです。

  1. テレビとサウンドバーを、光デジタルケーブルでつなぐ(サウンドバーの光デジタル入力端子へ)。
  2. [設定]—[画面と音声]—[音声出力]—[光デジタル音声出力設定]—[光デジタル音声出力]で設定を有効にする。(Sony公式ヘルプガイドの表記)
  3. [設定]—[画面と音声]—[音声出力]—[スピーカー出力]—[オーディオシステム] は、HDMI接続のときと同じく必要です。
  4. HW-Q990H側の入力を「D.IN」にする。(サムスンの接続案内でも、光デジタル経路の入力はD.INとされています)

光デジタルは、eARCと同じことができる接続方法ではありません。 前述のとおり、テレビ側の光デジタル出力欄の表記(AAC/PCM/AC3/DTS)は、eARCの一覧より狭い範囲です。あくまでeARC/ARCが使えないときの代替として位置づけてください。


12. 音が出ないときの確認順

サムスンのトラブルシューティング案内の項目と、この組み合わせ固有の確認点を、実際に手を動かす順に並べたものです(並べ替えと、テレビ側の具体的なメニュー名の割り当てはこの記事の判断で、項目そのものは各社の公式記載に基づいています)。

  1. テレビ側は HDMI 3 か。 サウンドバー側は**HDMI入力ではなくテレビ用のHDMI出力(eARC/ARC)**か。ケーブルが両端ともしっかり挿さっているか。別の入力に挿していると、そもそもARC/eARCの経路になりません。
  2. [オーディオシステム設定]—[eARC設定]—[オート]になっているか。
  3. [スピーカー出力]が[オーディオシステム]になっているか。 ここが内蔵スピーカーのままだと、音はテレビから出ます。
  4. HDMI-CECが有効か。 テレビ側は [ブラビアリンク機器制御] を有効にします。
  5. サウンドバー側の入力が正しいか。 テレビの音なら D.IN、サウンドバーに直結した機器の音なら HDMI。あわせて、ARC/eARC接続が認識されている状態かを確認します。
  6. 外部機器がARC/eARCを妨げていそうなら、その機器をいったん外し、テレビとサウンドバーの電源を入れ直して再度試す。
  7. 接続そのものが疑わしいままなら、HDMIケーブルを交換する。
  8. ここまでで解決せず、フォーマットの食い違いが疑われる場合にかぎり、[デジタル音声出力設定]を見直す。(第9章のとおり、一律の正解は決めません)

光デジタルでつないでいる場合は、光デジタルケーブルの接続(テレビの光デジタル出力 → サウンドバーの光デジタル入力)、テレビ側の[光デジタル音声出力]が有効になっているか、サウンドバー側がD.INになっているかを確認してください。

なお、音が途切れる・映像と音がずれる・特定のアプリだけ鳴らないといった症状の切り分けや、サウンドバーのリセット手順は、この記事の確認範囲に含みません。


13. この記事で扱わないこと(未確認の境界)

以下は参照した公式情報から読み取れないため、この記事では判断しません。いずれも「非対応」の断定ではなく、「確認できていない」という意味です。

  • この2台のeARC経路でのマルチチャンネルリニアPCM:テレビ側の7.1ch LPCMの記載と、HW-Q990H側の「LPCM: Multi channel」「HDMI ARC: Yes (eARC)」の記載は別々の公式情報です。足し合わせて成立を主張しません(未確認)。
  • HW-Q990Hの直結経路での VRR/ALLM/Dolby Visionパススルー:未確認です。確認できているのはHDMI入力2系統と4K映像パススルー120Hzまで。これらの機能が必要な機器は、テレビの HDMI 4 経由にしてください。
  • HW-Q990Hの「HDR 10+」表記を、K-55XR50と組み合わせた端から端までのHDR能力として読むこと:しません(未確認)。
  • K-55XR50自体のDolby Vision対応:この記事が参照した公式情報からは読み取れないため、この記事は何も述べません(未確認)。
  • メーカーをまたぐHDMI-CEC連動の実際の範囲:未確認です。両側でCEC(ブラビアリンク/Anynet+)を有効にするところまでが、この記事の扱う範囲です。
  • サウンドバー側の端子刻印と表示文言:テレビ用HDMI出力の呼び方(HDMI OUT (TV-ARC) / HDMI TO TV (eARC/ARC))は案内ごとに別表記で、実機の刻印は未確認です。D.IN選択後にどの文字列が表示されるかも確定しません。**「ARC/eARCが認識されている状態か」**で判断してください。
  • HW-Q990Hの同梱ケーブルが、Sony側の「イーサネット対応HDMIケーブル」の条件を満たすか:未確認です。満たすとも満たさないとも書きません。
  • HW-Q990HのDTS系/MPEG-4 AAC対応:この記事が参照した仕様には記載が見当たらず、未確認です。これに伴い、[デジタル音声出力設定]の[PCM固定]も[パススルー優先]も、既定の設定とはしません。
  • Q-Symphony:製品ページ上、対応するサムスン製テレビとの組み合わせとして示されている機能であり、この組み合わせで使える機能としては扱いません。
  • Wireless Dolby Atmos(Wi-Fi経由のテレビ音声伝送):対象は**サムスン製テレビ(2022〜2026年モデル)**です。K-55XR50へ一般化しません。
  • アプリを使った設定・操作手順、およびそれがHDMI接続の前提になるかどうか:この記事の確認範囲に含みません。
  • スピーカー構成の内訳、サブウーファー/リアスピーカーの同梱有無・設置・接続手順、音質調整、その他の仕様:この記事の確認範囲に含みません。
  • 販売地域による仕様差:この記事がSamsung側の型番指定の根拠にしているのは公式製品ページ(英国サイト)の記載です。地域ごとの差異は未確認です。
  • 各経路で実際に何が鳴るか:アプリ・外部機器・コンテンツ・設定ごとの実際の挙動(未確認)。
  • HW-Q990H以外のサムスン製サウンドバー、K-55XR50以外のBRAVIA:この記事には持ち込みません。

これらは別途、Sony公式情報およびSamsung公式情報を確認してください。


まとめ

  • 基本は HDMI eARC。テレビ K-55XR50 の HDMI 3 と HW-Q990Hのテレビ用HDMI出力(eARC/ARC) を結ぶ。
  • テレビ設定は [eARC設定]—[オート]、[スピーカー出力]—[オーディオシステム]、連動を使うなら [ブラビアリンク機器制御]を有効。
  • **サウンドバー側の入力は「D.IN」**にして、ARC/eARC接続が認識されていることを確認する。端子の呼び方(HDMI OUT (TV-ARC) / HDMI TO TV (eARC/ARC))は案内ごとに別表記なので、混ぜて第三の名前は作らない。
  • ケーブルはSony側の「イーサネット対応HDMIケーブル(別売)」の条件を満たすものを用意する。 同梱ケーブルで条件を満たすかは未確認。
  • eARC経由のマルチチャンネルリニアPCMは未確認。 テレビ側の7.1ch LPCM表記と、HW-Q990H側の「LPCM: Multi channel」は別々の情報。足さない。「非対応」でもない。
  • サウンドバー直結は、HDMI入力2系統・4K映像パススルー120Hzまでが確認範囲。VRR・ALLM・Dolby Visionは未確認。 「HDR 10+」の表記も、この組み合わせの端から端までのHDRを意味しない。
  • テレビ側の4K120/VRR/ALLMが関わるとき、またはDolby VisionやHDRを保ちたいときは、機器 → テレビ HDMI 4 → eARC(HDMI 3)→ サウンドバーの経路にする。テレビ側はHDMI 3/4 が 4K120・VRR・ALLM・HDCP2.3 に対応、eARC/ARCは HDMI 3 のみ。テレビ自体のDolby Vision対応については、この記事は述べない(未確認)。
  • 4K 100Hz/120Hzは端子設定が要る。 XR50向けサポート情報の表記は [拡張フォーマット(詳細)]+ウルトラハイスピードHDMIケーブル、ヘルプガイド側の表記は [拡張フォーマット(高機能)]+4K120/8Kには48Gbps対応。2つの表記を混ぜない。
  • [デジタル音声出力設定]は、[PCM固定]も[パススルー優先]も既定にしない。 フォーマットの食い違いが疑われるときの最後の確認先。
  • Q-Symphonyはこの組み合わせの機能として扱わない。 Wi-Fi経由のWireless Dolby Atmosはサムスン製テレビ(2022〜2026年モデル)向けの記載で、K-55XR50へ一般化しない。 どちらもHDMI eARCの代わりにはならない。
  • 光デジタルは代替手段。 テレビ側で**[光デジタル音声出力]を有効にし、サウンドバーはD.IN**。eARCと同等ではない。
  • 音が出ないときは、HDMI 3と端子の向き → eARC設定 → スピーカー出力 → CEC → D.INと認識確認 → 外部機器を外して電源入れ直し → ケーブル交換 → 最後に[デジタル音声出力設定] の順。

出典:Sony公式HDMI入力信号一覧/Sony公式サポート情報(テレビのHDMI端子でサポートされている機能)/Sony公式ヘルプガイド/Sony公式仕様表/Samsung公式製品情報(HW-Q990H)/Samsung公式サポート情報(サウンドバーの接続/音が出ない場合の対処)