結論

BRAVIA 5「K-55XR50」とSamsung「HW-Q600F」は、HDMI eARCでつなぐのが基本です。差す場所は次の2か所です。

  • テレビ側:HDMI 3(Sony公式のHDMI入力信号一覧で、XR50シリーズのeARC/ARC対応入力とされている端子)
  • サウンドバー側:HW-Q600Fのテレビ接続用HDMI出力(Samsung公式の製品仕様で HDMI出力1系統、HDMI ARC: Yes(eARC) と記載されている出口)

やることを順番に並べると、次の5つです。

  1. テレビの HDMI 3 と HW-Q600FのHDMI出力を、HDMIケーブル1本で結ぶ(ケーブル条件は後述)
  2. テレビ側で [オーディオシステム設定]—[eARC設定]—[オート] にする
  3. テレビ側で [設定]—[画面と音声]—[音声出力]—[スピーカー出力]—[オーディオシステム] にする
  4. テレビ側で [設定]—[放送と外部入力]—[外部入力設定]—[ブラビアリンク設定]—[ブラビアリンク機器制御] を有効にする(HDMI連動用)
  5. サウンドバー側の入力を「D.IN」にして、ARC/eARC接続が認識されていることを確認する

eARCを基本にする理由は単純で、両側の公式情報がeARCでかみ合うからです。テレビ側はHDMI 3がeARC/ARC対応入力とされ、サウンドバー側はSamsung公式の製品仕様に HDMI ARC: Yes(eARC) と記載されています。さらに、テレビ側の音声フォーマット一覧を見ると、eARCモードの一覧はARCモードや光デジタルの一覧より広いので、あえて狭いほうへ落とす理由がありません。

そしてこの組み合わせのもう一つの分かれ道が、ゲーム機やプレーヤーをどちらにつなぐかです。HW-Q600FのHDMI入力は1系統で、映像パススルーはSamsung公式仕様で 4K Video Pass: 60Hz と記載されています。4K120/VRR/ALLMを使いたい機器は、サウンドバー直結ではなく、テレビの HDMI 4 につないで音だけをeARCで戻す——これがこの記事の推奨です。詳しくは後述します。


この記事が対象にしているモデル

  • テレビ:Sony BRAVIA 5「K-55XR50」(XR50シリーズ)
  • サウンドバー:Samsung 「HW-Q600F」(3.1.2ch/スピーカー9基/ワイヤレスサブウーファー付属。リアスピーカーは付属しません)

同じブランド・同じシリーズでも、型番が違えば端子構成も対応範囲も変わります。HW-Q600F以外のSamsung製サウンドバー(Q990F・Q930F・Q800F・QS700Fなど)や、K-55XR50以外のBRAVIAについて、この記事は何も述べません。 名前の近い別モデルの数値や機能を、この記事に持ち込むこともしません。

根拠に使うのは、Sony公式とSamsung公式の一次情報だけです。公式表記から読み取れないことは、未確認としてそのまま残します。「未確認」は「非対応」ではありません。 読み取れなかった、という意味です。

なお、この記事が参照したHW-Q600Fの製品仕様はSamsungのオーストラリア向け公式ページの記載です。地域ごとの型番の細部や仕様表記の差異までは、この記事の確認範囲に含みません。

この記事で使う用語

  • HDMI eARC / ARC:テレビとサウンドバーをHDMIケーブル1本で結び、テレビ側の音をサウンドバーへ送るしくみ。eARCはARCの拡張版です。
  • パススルー(サウンドバー直結):サウンドバーのHDMI入力につないだ機器の映像を、サウンドバー経由でテレビへ送る構成。
  • テレビ経由:機器をテレビのHDMI入力につなぎ、音だけをeARCでサウンドバーへ戻す構成。
  • D.IN:Samsungサウンドバー側の入力名。Samsung公式の案内では、テレビとのARC接続のときも、光デジタル接続のときも「D.IN」を選ぶとされています。
  • HDMI-CEC:HDMIでつないだ機器どうしを連動させるしくみ。Samsung側の機能名は Anynet+、Sonyのテレビ側は ブラビアリンク として設定します。
  • リニアPCM(LPCM):圧縮していない音声形式。2chと、複数chをまとめて送るマルチチャンネルがあります。

1. 用意するケーブル

テレビ ↔ HW-Q600F(eARC用)のHDMIケーブル

Sony公式ヘルプガイドのBRAVIA 5のHDMI接続(eARC対応)の説明では、イーサネット対応HDMIケーブル(別売) を使うことになっています。まずはこの条件を満たすケーブルを用意してください。

ここで、ひとつ断定しないことがあります。

HW-Q600Fに同梱されるHDMIケーブルが、Sony側の言う「イーサネット対応HDMIケーブル」の条件を満たすかどうかは、この記事の確認範囲では未確認です。

同梱ケーブルの正確な仕様を示すHW-Q600Fの公式記載を、この記事は確認できていません。したがって「付属ケーブルをそのまま使えば要件を満たす」とも、「使えない」とも書きません。確実にしたい場合は、イーサネット対応と明記されたHDMIケーブルを用意するのが安全側です。

外部機器 → HW-Q600FのHDMI入力(直結用)のHDMIケーブル

直結の構成(後述)を使う場合は、eARC用とは別に、もう1本HDMIケーブルが必要です。1本を兼用することはできません。

ただし、この1本にどんな仕様が求められるかは、この記事の確認範囲では未確認です。 後述するSony公式の「18Gbps対応のプレミアム ハイスピードHDMIケーブル」は、テレビの入力側の設定条件として挙げられているもので、外部機器 → HW-Q600F のリンクの条件としては確認できていません。「非対応」という意味ではなく、読み取れなかった、という意味です。

光デジタルケーブル(フォールバック用)

光デジタル接続(後述)を使う場合は、光デジタルケーブルが必要です。HW-Q600Fに光デジタルケーブルが同梱されるかどうかは、この記事の確認範囲では未確認なので、手元にあるかどうかを確認してください。


2. 基本の接続(HDMI eARC):どことどこを結ぶか

つなぐのは次の1本です。

  • テレビ K-55XR50 → HDMI 3
  • サウンドバー HW-Q600F → テレビ接続用のHDMI出力(eARC対応)

テレビ側は入力の選び間違いが起きやすいところです。HDMI 3と覚えてください。Sony公式のHDMI入力信号一覧では、XR50シリーズでeARC/ARCに対応する入力として HDMI 3 が挙げられています。ほかのHDMI入力に挿すと、テレビの音をサウンドバーへ返す経路になりません。

サウンドバー側は、HDMI入力(HDMI IN)ではなくHDMI出力です。Samsung公式のHW-Q600Fの仕様では、HDMI入力1系統/HDMI出力1系統/HDMI ARC: Yes(eARC)/光デジタル入力1系統 と記載されています。テレビへつなぐ出口は、このHDMI出力のほうです。


3. テレビ側の設定(K-55XR50)

メニュー名はいずれもSony公式ヘルプガイドの表記どおりです。それ以外のメニュー名や項目を、この記事が推測で補うことはしません。 また、Samsung公式の案内に出てくるSamsungテレビ向けのメニュー階層を、このSonyテレビに読み替えて当てはめることもしません。

3-1. eARC設定を「オート」にする

[オーディオシステム設定]—[eARC設定]—[オート]

Sony公式ヘルプガイドの、HDMI接続(eARC対応)の手順に書かれている設定です。

3-2. スピーカー出力を「オーディオシステム」にする

[設定]—[画面と音声]—[音声出力]—[スピーカー出力]—[オーディオシステム]

テレビの音の出し先を、内蔵スピーカーからサウンドバー側へ切り替える設定です。Sony公式ヘルプガイドのこの案内は、HDMIケーブルでつないだ場合と光デジタルケーブルでつないだ場合の両方を対象としています。あとで光デジタルに切り替えたときも、この設定は同じく必要です。

3-3. ブラビアリンク機器制御を有効にする

[設定]—[放送と外部入力]—[外部入力設定]—[ブラビアリンク設定]—[ブラビアリンク機器制御]を有効にする

HDMI経由の機器連動(HDMI-CEC)を、テレビ側で有効にする設定です。Samsung公式のサウンドバー案内でも、HDMI連動については Anynet+(HDMI-CEC) を使い、テレビがSamsung製でない場合はそのテレビの説明書に従う、とされています。K-55XR50側でその役割を担うのが、この項目です。

ただし線引きがあります。Sony公式ヘルプガイドが案内しているのはこの設定項目とメニュー階層までで、「すべてのサウンドバーで必ずこれが前提になる」と書かれているわけではありません。この組み合わせの手順としてここに置いているのは、この記事の判断です。


4. サウンドバー側の入力(D.IN)と認識確認

テレビの音をHW-Q600Fから鳴らすときは、サウンドバー側の入力を「D.IN」にして、ARC/eARC接続が認識されていることを確認します。 Samsung公式の案内では、テレビとのARC接続でも、光デジタル接続でも「D.IN」を選ぶとされています。

Samsungの一般的なサウンドバー設定案内には、テレビとARCでリンクが成立したあとの表示として 「TV ARC」 という記載があります。ただしこれはSamsungの汎用的な案内の記載です。K-55XR50とHW-Q600Fの組み合わせで、その文字列が必ず出る/その表示でなければ正しくない、とはこの記事では決めつけません。 確認したいのは表示の文字列そのものではなく、D.INを選んだ状態で、テレビの音がサウンドバーから出ているかどうかです。

HDMI連動について、ひとつ線引き

Samsung公式仕様ではHW-Q600Fの HDMI CEC が「あり」とされ、Sony側にも[ブラビアリンク機器制御]があります。しかし、この2台の間で、テレビのリモコンによる電源・音量・入力切り替えなどの連動がどこまでそのとおりに動くかは、この記事の確認範囲では未確認です。 「両方を有効にすれば、あらゆる連動が保証される」とは書きません。接続と設定を成立させるための経路までが、この記事の扱う範囲です。


5. 音声フォーマットの読み方(ここが最も誤読しやすい)

両側の公式情報には、それぞれ次の記載があります。

テレビ側(Sony公式ヘルプガイド/BRAVIA 5のeARC/ARC、HDMI3入力のみ)

モード 記載されているフォーマット
eARCモード 7.1 channel linear PCM/Dolby Audio/Dolby Atmos/DTS/DTS-HD Master Audio/DTS-HD High Resolution Audio/DTS:X/MPEG2-AAC/MPEG4-AAC
ARCモード Two channel linear PCM/Dolby Audio/Dolby Atmos/DTS/MPEG2-AAC/MPEG4-AAC

サウンドバー側(Samsung公式のHW-Q600F製品仕様)

  • Dolby ATMOS/Dolby ATMOS Music/Dolby TrueHD/Dolby Digital Plus/Dolby 5.1Ch
  • LPCM: Multi channel

読み方の注意を3つ挙げます。

1つめ。この2つは、別々の会社の別々の記載です。 テレビ側の一覧は「テレビが出せる範囲」、サウンドバー側の一覧は「サウンドバーが扱えるとされる範囲」であって、足し算して新しい保証を作ることはできません。

2つめ。マルチチャンネルLPCMについて、この記事は断定しません。

テレビ側のeARCモードの一覧に 7.1 channel linear PCM があり、HW-Q600Fの仕様に LPCM: Multi channel の記載があります。しかしこの2つは別の記載であり、この組み合わせのeARC経路でマルチチャンネルLPCMが実際に成立するところまでは確認できていません(未確認)。 「このペアならeARCでマルチチャンネルLPCMが届く」とは書きませんし、逆に「非対応」とも書きません。

3つめ。一覧に載っていることは、いつでもその形式で鳴る保証ではありません。 テレビ内のアプリ、外部機器、個々のコンテンツ、経路や設定によって、実際に届くものは変わります。フォーマット対応の記載を、あらゆる機器・コンテンツ・パススルー設定での配信保証に変換しないでください。

また、HW-Q600Fの仕様に記載があるのは上記のDolby系ラベルとLPCMの行までです。DTS系やMPEG-4 AACの対応は、この記事の確認範囲では未確認として扱います(後述の[デジタル音声出力設定]の判断に関係します)。


6. ゲーム機・プレーヤーをどちらにつなぐか

この組み合わせでいちばん判断が要る場所です。 選択肢は2つあります。

A. サウンドバー直結(機器 → HW-Q600F → テレビ)

HW-Q600Fには HDMI入力が1系統 あります。Samsung公式の案内どおりに並べると、経路は次のとおりです。

  1. 外部機器のHDMI OUT → HW-Q600FのHDMI IN(eARC用とは別のHDMIケーブル)
  2. HW-Q600FのHDMI出力 → テレビの HDMI 3
  3. サウンドバー側の入力を「HDMI」にする
  4. テレビ側は HDMI 3 の入力を表示する

この構成で確認できている映像の範囲は、Samsung公式仕様の 4K Video Pass: 60Hz までです。

HW-Q600F直結の経路で、K-55XR50側の 4K120/VRR/ALLM が保たれるとは、この記事は書きません。 サウンドバー直結でのこれらの対応は確認できておらず、製品仕様の映像パススルーは60Hzと記載されています。

HDRについても線を引きます。HW-Q600Fの仕様には HDR 10+ の行がありますが、これはサウンドバー側の仕様表の記載であって、K-55XR50と組み合わせたときにHDRが端から端まで成立することを示すものではありません。 さらに、サウンドバー直結でのDolby Visionパススルーは未確認です。

B. テレビ経由(機器 → テレビ → eARC → HW-Q600F)

Sony公式ヘルプガイドは、BRAVIA 5について eARC/ARCと記載されているHDMI端子を使うと、テレビにつないだ外部入力機器の音声信号を、eARCに対応したオーディオシステムへ出力(パススルー)できると案内しています。つまり、機器をテレビにつないでも、音はサウンドバーへ戻せます。

  • 外部機器 → テレビの HDMI 4
  • テレビの音 → HDMI 3 のeARCで HW-Q600F へ

Sony公式のHDMI入力信号一覧では、XR50シリーズについて 4K/120Hz・VRR・ALLM・HDCP2.3 のいずれも HDMI 3 と HDMI 4 が対応とされています。一方、eARC/ARC対応の入力は HDMI 3 のみです。HDMI 3 はサウンドバーが使うので、これらの機能を使いたい機器は HDMI 4 へ——これがこの記事の判断です。

この記事の推奨

  • 4K120/VRR/ALLM を使いたい機器(たとえばゲーム機)→ B(テレビ経由)。サウンドバー直結の確認済み範囲は4K60までだからです。
  • HDR/Dolby Vision を重視する場合 → B(テレビ経由)。サウンドバー直結でのDolby Visionパススルーは未確認、HDR 10+の記載もこのペアの端から端までの保証ではないためです。
  • 4K60の範囲で足りる機器(対応する据え置きプレーヤーなど)→ A(直結)も選べます。

ただし、テレビ経由にしても実際に届く音声フォーマットまでが保証されるわけではありません。 経路のトポロジーが成立することと、特定のコーデックが必ず届くことは別の話です。


7. テレビ側の映像設定(挿すだけでは足りない場合)

ここは経路ごとに、設定するHDMI端子と設定値が変わるので分けて書きます。Sony公式の3つの表記は、それぞれ別の情報源に書かれた別の表記です。混ぜて第三の名前を作らないでください。

高精彩な4K 50/60を通したいとき:[拡張フォーマット]

Sony公式ヘルプガイドの「高精彩4K 50/60Hz入力設定」では、次のように案内されています。

  • 設定の場所:[設定]—[放送と外部入力]—[外部入力設定]—[HDMI信号フォーマット/VRR設定]—(対象のHDMI端子)
  • 設定値:[拡張フォーマット]
  • ケーブル条件:18Gbps対応のプレミアム ハイスピードHDMIケーブル

この3つは、テレビの入力側(対象のHDMI端子)の設定条件としてまとめて挙げられているものです。ケーブル条件も、その対象HDMI端子につながるHDMIケーブルに対する条件として読んでください。

対象のHDMI端子は経路によって変わります。サウンドバー直結の構成なら、映像がテレビに入るのは HDMI 3 です。テレビ経由の構成なら、機器をつないだ HDMI 4 です。

なお、直結の構成では映像が2本のHDMIケーブル(機器→サウンドバー、サウンドバー→テレビ)を通過します。このうちSony公式のケーブル条件がかかるのは、テレビの入力(HDMI 3)につながる「サウンドバー → テレビ」のHDMIケーブルのほうです。

外部機器 → HW-Q600FのHDMI入力側のケーブル条件は、この記事の確認範囲外(未確認)です。 Sony公式のこの条件をSamsung側のリンクにそのまま当てはめることはしませんし、Samsung公式の記載からこのリンクのケーブル条件を読み取ることもできていません。「条件が緩い」とも「非対応」とも書きません。

このSony公式の案内は、[拡張フォーマット(詳細)]・[拡張フォーマット(高機能)]・4K120については何も定めていません。

4K 100Hz/120Hzを使いたいとき:[拡張フォーマット(詳細)]

こちらは別のSony公式情報が根拠です。HDMI 4 に挿しただけでは高帯域の動作は成立しません。

  • XR50シリーズ向けのSony公式サポート情報:4K 100Hz/120Hz信号は HDMI 3/4 に対応。使う HDMI 3 または HDMI 4 のHDMI信号フォーマットを[拡張フォーマット(詳細)]に設定する。一部の機器ではウルトラハイスピードHDMIケーブルが必要。
  • BRAVIA 5共通のSony公式ヘルプガイド:設定場所は [設定]—[放送と外部入力]—[外部入力設定]—[HDMI信号フォーマット/VRR設定]—(設定したいHDMI端子)。選択肢として [拡張フォーマット(高機能)] が挙げられており、選べる信号フォーマットは機種によって異なります。4K 120Hzまたは8Kには48Gbps対応のウルトラハイスピードHDMIケーブルが必要。

画面で迷ったときは、4K 100Hz/120Hz向けとしてXR50シリーズのサポート情報が挙げているのが[拡張フォーマット(詳細)]、高精彩4K 50/60入力設定としてヘルプガイドが挙げているのが[拡張フォーマット]、という対応を手がかりにしてください。

ここで扱うのは経路が成立するための前提までです。個々の機器がどの信号を出すか、機器側の設定や画質の追い込みは、この記事の範囲外です。


8. [デジタル音声出力設定]をどう扱うか

Sony公式ヘルプガイドには、接続するオーディオシステムによっては[デジタル音声出力設定]が必要になる場合があるという記載があります。設定の場所は、接続方法によって別の階層です。

  • HDMI接続の場合:[設定]—[画面と音声]—[音声出力]—[オーディオシステム設定]—[デジタル音声出力設定]
  • 光デジタル接続の場合:[設定]—[画面と音声]—[音声出力]—[光デジタル音声出力設定]—[デジタル音声出力設定]

そのうえで、この組み合わせでは、どちらのモードも既定の手順にはしません。 「とりあえず[PCM固定]」「とりあえず[パススルー優先]」という案内は、この記事ではしません。

  • [PCM固定] についてSony公式が挙げている条件は、オーディオシステムがドルビーデジタルやDTSに非対応の場合です。HW-Q600Fの仕様にはDolby系のラベルが並んでおり、この条件がそのまま当てはまるとは言えません。
  • [パススルー優先] についてSony公式が挙げている条件は、BS4K/110度CS4K放送のMPEG-4 AAC音声を、MPEG-4 AACデコード対応のオーディオシステムへMPEG-4 AACとして出力する場合です。HW-Q600FのMPEG-4 AAC対応は未確認なので、この条件が成立するとは書けません。あわせてSony公式は、[パススルー優先]の注意としてシステム音や音声応答が出力されないこと、内蔵マイク搭載モデルでは音声認識性能が低下する場合があることも挙げています。

使いどころは、音が出ない・フォーマットの食い違いが疑われるときの見直し先です。Sony公式のこの案内は、どのモードが正解かを一律に定めてはいません。


9. HDMI eARC/ARCが使えないときの代替:光デジタル

材料は両側にそろっています。

  • テレビ側:Sony公式の仕様表で、K-55XR50に光デジタル音声出力端子×1(併記されている表記は「AAC/PCM/AC3/DTS」)。
  • サウンドバー側:Samsung公式のHW-Q600Fの仕様で、光デジタル入力1系統。

手順は次のとおりです。

  1. テレビとHW-Q600Fを、光デジタルケーブルでつなぐ(サウンドバーの光デジタル入力端子へ)。
  2. [設定]—[画面と音声]—[音声出力]—[光デジタル音声出力設定]—[光デジタル音声出力]で設定を有効にする。
  3. サウンドバー側の入力を「D.IN」にする。
  4. [設定]—[画面と音声]—[音声出力]—[スピーカー出力]—[オーディオシステム] はそのままにしておく(この案内はHDMI接続と光デジタル接続の両方を対象としています)。

光デジタルは、eARCと同等の接続方法ではありません。 Sony公式の光デジタル音声出力欄に併記されている表記は AAC/PCM/AC3/DTS で、eARCモードの一覧より狭い範囲です。あくまでHDMI eARC/ARCが使えないときの代替として位置づけてください。


10. 音が出ないときの確認順

Samsung公式の「サウンドバーから音が出ない」の案内にある項目と、Sony側の設定項目を、実際に手を動かす順に並べたものです(並べ替えはこの記事の判断で、項目そのものは各社公式の記載です)。

  1. ケーブルが テレビの HDMI 3 と HW-Q600Fのテレビ接続用HDMI端子(eARC/ARC)に、しっかり挿さっているか。 別のHDMI入力に挿していると、そもそもARC/eARCの経路になりません。
  2. テレビ側の [eARC設定]が[オート]になっているか。
  3. テレビ側の [スピーカー出力]が[オーディオシステム]になっているか。 ここが内蔵スピーカーのままだと、音はテレビから出ます。
  4. テレビ側の [ブラビアリンク機器制御]が有効になっているか(HDMI-CEC)。Samsung公式も、HDMI接続時にテレビ側のHDMI-CECが有効かを確認するよう案内しています。
  5. サウンドバー側の入力が「D.IN」になっていて、ARC/eARC接続が認識されているか。
  6. 外部機器がARC/eARCを妨げているようなら、その機器を外し、テレビとサウンドバーの電源を入れ直して、もう一度試す。
  7. それでも接続が疑わしいときは、HDMIケーブルを交換する。
  8. フォーマットの食い違いが疑われるときに限り、テレビ側の[デジタル音声出力設定]を見直す(前章のとおり、一律の正解を決め打ちしません)。

光デジタルでつないでいる場合

  • 光デジタルケーブルが、テレビの光デジタル音声出力とサウンドバーの光デジタル入力にしっかり挿さっているか。
  • テレビ側で [光デジタル音声出力]が有効になっているか。
  • サウンドバー側の入力が「D.IN」になっているか。

11. Samsung側の機能で、この組み合わせでは前提にしないこと

Q-Symphony

Samsung公式のQ-Symphony対応情報では、2025年の対応サウンドバーにHW-Q600Fが挙げられています。 ただし、そこで組み合わせの相手として挙げられているのはSamsung製テレビです。K-55XR50はSony製テレビです。

したがって、この記事はQ-Symphonyを、この組み合わせで使える機能としては扱いません。

ワイヤレスのDolby Atmos接続

Samsung公式のHW-Q600Fの製品仕様には、Wireless Dolby ATMOS: No と記載されています。 したがって、この記事ではワイヤレスでテレビの音をDolby Atmosで飛ばす経路を、この組み合わせの選択肢として提示しません。 基本の推奨は、あくまで有線のHDMI eARCです。

Wi-Fi・アプリ

同じくSamsung公式のHW-Q600Fの製品仕様では、Wi-Fi: No、SmartThingsアプリ: No と記載されています。ネットワーク経由の設定を前提にした手順は、この記事では扱いません。


12. この記事で断定しないこと(未確認の境界)

以下は参照した公式情報から読み取れないため、この記事では判断しません。いずれも「非対応」の断定ではなく、「確認できていない」という意味です。

  • この組み合わせのeARC経路でマルチチャンネルLPCMが成立するか:未確認です。テレビ側の「7.1 channel linear PCM」とサウンドバー側の「LPCM: Multi channel」は別々の記載で、足し合わせません。
  • HW-Q600F直結の経路での 4K120/VRR/ALLM:未確認です。製品仕様の映像パススルーは 4K60 と記載されています。これらが必要な機器は、テレビの HDMI 4 経由にしてください。
  • サウンドバー直結でのDolby Visionパススルー:未確認です。
  • HDR 10+ の記載:サウンドバー側の仕様表の記載であって、K-55XR50と組み合わせたときのHDRの端から端までの成立を示すものではありません。
  • K-55XR50とHW-Q600Fの間のHDMI-CEC連動が、どこまでそのとおりに動くか:未確認です。設定を有効にするところまでが、この記事の扱う範囲です。
  • HW-Q600FのDTS系/MPEG-4 AAC対応:未確認です。これに伴い、[パススルー優先]を既定の設定とはしません。
  • HW-Q600Fに同梱されるHDMIケーブル・光デジタルケーブルの仕様:未確認です。Sony側の「イーサネット対応HDMIケーブル」の条件を満たすかどうかも断定しません。
  • 外部機器 → HW-Q600FのHDMI入力に必要なケーブル条件:**この記事の確認範囲外(未確認)**です。Sony公式の「18Gbps対応のプレミアム ハイスピードHDMIケーブル」は、テレビの入力側の高精彩4K 50/60設定の条件として挙げられているものであり、Samsung側のこのリンクの条件として当てはめることはしません。
  • Q-Symphony/ワイヤレスDolby Atmos:Samsungテレビとの組み合わせやサウンドバー単体の仕様の話であり、このSonyテレビとの組み合わせの機能としては扱いません。
  • 各経路で実際に何が鳴るか:テレビ内アプリ・外部機器・コンテンツ・設定ごとの実際の挙動(未確認)。
  • HW-Q600F以外のSamsung製サウンドバーや、K-55XR50以外のBRAVIA:この記事には持ち込みません。
  • 映像と音のタイミング調整、設置方法、サブウーファーの運用、その他の仕様。

これらは別途、Sony公式情報およびSamsung公式情報を確認してください。


まとめ

  • 基本は HDMI eARC。テレビ K-55XR50 の HDMI 3 と HW-Q600Fのテレビ接続用HDMI出力(HDMI ARC: Yes(eARC)) を結ぶ。
  • テレビ設定は [eARC設定]—[オート]、[スピーカー出力]—[オーディオシステム]、[ブラビアリンク機器制御]を有効 の3つ。
  • サウンドバー側は「D.IN」を選び、ARC/eARC接続が認識されていることを確認する。 表示される文字列そのものは、この組み合わせでの必須の目印としては扱わない。
  • ケーブルはSony側の「イーサネット対応HDMIケーブル(別売)」の条件で用意する。 同梱ケーブルが条件を満たすかは未確認。
  • eARCのマルチチャンネルLPCMは、このペアでは未確認。 テレビ側の7.1ch LPCMとサウンドバー側のLPCM: Multi channelを足し算しない。「非対応」でもない。
  • HW-Q600FのHDMI入力は1系統、映像パススルーは4K60まで。 4K120/VRR/ALLM/HDR/Dolby Visionが重要なら、機器 → テレビ HDMI 4、音は HDMI 3 のeARCで戻す 構成を選ぶ。
  • 映像設定は経路で別。高精彩4K 50/60は [拡張フォーマット]+18Gbps対応プレミアム ハイスピードHDMIケーブル(どちらも、映像が入るテレビ入力側のHDMI端子に対する条件。外部機器 → HW-Q600F 側のケーブル条件は確認範囲外=未確認で、この条件を持ち込みません)。4K 100Hz/120Hzは [拡張フォーマット(詳細)]+ウルトラハイスピードHDMIケーブル(ヘルプガイド側の表記は [拡張フォーマット(高機能)]、4K120/8Kには48Gbps対応)。3つの表記を混ぜない。
  • [デジタル音声出力設定]は、[PCM固定]も[パススルー優先]も既定にしない。 音が出ない・フォーマットが食い違うときの見直し先として扱う。
  • 光デジタルは代替手段。 テレビ側で [光デジタル音声出力]を有効にし、サウンドバーは D.IN。eARCと同等ではない(テレビ側の表記は AAC/PCM/AC3/DTS)。
  • 音が出ないときは、HDMI 3の接続 → eARC設定 → スピーカー出力 → ブラビアリンク機器制御 → D.INと認識確認 → 外部機器を外して電源入れ直し → ケーブル交換 → (最後に)デジタル音声出力設定 の順。
  • Q-Symphonyはこのペアの機能として扱わない(Samsungテレビとの組み合わせが前提)。Wireless Dolby ATMOSは「No」、Wi-Fi・SmartThingsアプリも「No」 と記載されているため、無線経路は前提にしない。

出典:Sony公式HDMI入力信号一覧/Sony公式サポート情報(テレビのHDMI端子でサポートされている機能)/Sony公式ヘルプガイド/Sony公式仕様表/Samsung公式製品情報(HW-Q600F)/Samsung公式サポート(サウンドバーの設定方法、音が出ないときの対処、Q-Symphony対応情報)