BRAVIA 5「K-55XR50」× TCL S642Wのつなぎ方|付属HDMIケーブル1本でテレビのHDMI 3へARC接続する手順

結論

ソニー BRAVIA 5「K-55XR50」とTCL「S642W」は、S642Wに付属するHDMIケーブル1本で、HDMI ARC接続にするのが基本の形です。

テレビ側がHDMI 3になる理由は明確です。ソニー公式の「ブラビアのHDMI入力信号一覧」で、XR50シリーズのeARC/ARC対応入力として示されているのがHDMI 3だからです。ほかのHDMI端子に挿してもこの経路は成立しません。

そしてこの組み合わせで最初に押さえるべき性格は、ARCの構成であるという点です。TCL公式の製品情報でS642Wは 「HDMI 1.4 with ARC」 と記載され、TCL公式の日本語取扱説明書で確認できるテレビ音声の接続手段も HDMI-ARC/光デジタル/AUX/AUX VA です。eARCは対象外として扱われています。したがってこの記事では、eARCを前提にした設定や条件を、この接続の必須条件にはしません。テレビ側のHDMI 3はeARC/ARC対応入力なので、ARCの受け口としてそのまま使えます。

テレビ側でやることは、実質的に次の2つです。

もう1つ、配線設計上とても大事な点があります。S642Wには、ゲーム機やレコーダーをつなぐためのHDMI入力がありません。 TCL公式の取扱説明書で確認できるソース機器用のHDMI入力は0系統です。つまり外部機器はすべてテレビ側のHDMI入力につなぎ、その音をARCでサウンドバーへ送ります。そのうえで、4K120HzやVRRが関わるゲーム機などはテレビのHDMI 4を基本にします(HDMI 3はサウンドバーが使うため。この振り分けは本記事の判断で、根拠は後述のソニー公式情報です)。

この記事で使う用語を先に整理しておきます。


対象モデル(この記事が扱う範囲)

この記事が扱うのは、次の2機種の組み合わせだけです。

型番違い・シリーズ違いの情報は持ち込みません。TCLには型番の似た他のサウンドバーがありますが、それらの仕様をS642Wの根拠として使うことはしません。この記事に書いてあるサウンドバー側の内容は、S642Wとして公式に確認できたものだけです。テレビ側も、K-55XR50およびBRAVIA 5として確認できた範囲だけを扱います。

なお、テレビ側の一部の設定(スピーカー出力、ブラビアリンク、音声フォーマット)はソニーがBRAVIA 5共通のヘルプガイドとして案内している内容で、端子の対応表や信号フォーマットの表記はXR50シリーズ向けの公式情報として確認しています。この記事では、その区別を保ったまま説明します。


1. 基本の接続(どこに挿すか)

つなぐ場所は1か所だけです。

  1. S642Wの HDMI ARC と書かれた端子に、付属のHDMIケーブルを挿す。
  2. その反対側を、K-55XR50の HDMI 3 に挿す。

これで、テレビの音(テレビ放送、テレビ内蔵アプリ、テレビにつないだ外部機器の音)をサウンドバーへ送る経路ができます。

配線を間違えないためのポイントは3つです。


2. 必要なケーブル

HDMIケーブルは付属しています。 TCL公式の取扱説明書の内容物に「HDMI ケーブル」が記載されており、この付属ケーブルを、上記のARC接続にそのまま使ってかまいません。基本の接続のために別途ケーブルを買う必要はありません。

光デジタルケーブルについては、付属するかどうかがこの記事の確認範囲では未確認です。 後述の代替手段(光デジタル接続)を選ぶ場合は、手元の同梱品を実際に確認してください。

ここで混同しやすいのが、ソニー側が案内している高帯域HDMIケーブルの条件です。ソニー公式ヘルプガイドでは4K 120Hzまたは8Kの信号に48Gbps対応のウルトラハイスピードHDMIケーブルが必要とされ、XR50シリーズの公式サポート情報でも4K 100Hz/120Hz信号について一部の機器ではウルトラハイスピードHDMIケーブルが必要と案内されています。

これは「テレビと映像機器の間」の条件であって、テレビとサウンドバーの間のARC接続の条件ではありません。 この記事では、ARC接続に高帯域ケーブルを必須条件としては課しません。ARC接続には付属のTCL HDMIケーブルを使ってください。付属HDMIケーブルの長さや、それがウルトラハイスピード相当かどうかは、この記事の確認範囲では未確認です。


3. テレビ側(K-55XR50)の設定

3-1. ブラビアリンク機器制御を有効にする

ソニー公式ヘルプガイドの手順どおり、次を有効にします。

[設定]—[放送と外部入力]—[外部入力設定]—[ブラビアリンク設定]—[ブラビアリンク機器制御]

TCL公式の取扱説明書は、HDMI ARCで使う際に 「テレビの設定でCEC機能を有効にしてください」 と案内しています。K-55XR50でHDMI-CECにあたる設定項目がこのブラビアリンク機器制御です(この対応付けは本記事の判断です。ソニー公式ヘルプガイドが確立しているのは、この設定項目とメニュー階層そのものです)。

3-2. 音の出口をサウンドバーに切り替える

ソニー公式ヘルプガイドの手順どおり、次を選びます。

[設定]—[画面と音声]—[音声出力]—[スピーカー出力]—[オーディオシステム]

配線が正しくても、ここがテレビ内蔵スピーカーのままだとサウンドバーから音は出ません。なお、ソニー公式ヘルプガイドのこの手順は、HDMIケーブルでつないだ場合と光デジタルケーブルでつないだ場合の両方を対象として案内されています。つまり後述の光デジタル接続に切り替えた場合も、この設定は共通で必要です。

3-3. eARC関連の設定は、この組み合わせでは必須条件にしない

S642WはARCの構成(TCL公式の製品情報で「HDMI 1.4 with ARC」、取扱説明書のテレビ音声接続手段もHDMI-ARC/光デジタル/AUX/AUX VA)です。したがってこの記事は、eARCを自動で有効にする類の設定を、この接続の前提条件として要求しません。

同じ理由で、eARC向けとして語られるケーブル条件や動作条件を、このARC接続にそのまま当てはめることもしません。 テレビ側のHDMI 3はeARC/ARC対応入力として示されている端子なので、ARCの受け口としてそのまま使えます。

また、K-55XR50側で「HDMI ARC」を個別にオン/オフするメニュー名は、この記事の確認範囲に含まれていません。 確認できているのは、HDMI 3がeARC/ARC対応入力であることと、上記2つの設定パスまでです。ここで存在しないメニュー名を推測して補うことはしません。


4. サウンドバー側(S642W)でやること

サウンドバー側の操作は多くありません。基本のARC接続で必要なのは、次の2点です。

入力ソースの確認は、あとから効いてきます。TCL公式の取扱説明書は、音が出ないときの確認項目として 「正しい入力ソースが選択されているかを確認してください」 を挙げています。S642Wが選べるソースは、取扱説明書の記載では HDMI-ARC/光デジタル/AUX/AUX VA/USB/Bluetooth です。ここが光デジタルやBluetoothに切り替わったままだと、HDMIで正しく配線してもテレビの音は鳴りません。

電源投入直後にどのソースが選ばれているか(工場出荷時のソース)は、この記事の確認範囲では未確認です。 ですからこの記事は「つなげば自動でHDMI-ARCになる」とは書きません。最初に必ず、サウンドバー側のソースをHDMI-ARCに合わせてください。 ソース切り替えの具体的なボタン操作や本体表示の見え方は、手元のS642Wの取扱説明書で確認してください。


5. ゲーム機・レコーダーなどのソース機器はどこにつなぐか

すべてテレビ側のHDMI入力につなぎます。 理由は単純で、TCL公式の取扱説明書で確認できるS642Wのソース機器用HDMI入力が0系統だからです。サウンドバーに機器を直結する構成は、この機種では選べません。したがって、サウンドバーを経由して映像をテレビへ送るという組み方も成立しません。映像はすべてテレビが直接受けます。

5-1. 4K120HzやVRRが関わる機器は、テレビの HDMI 4

ソニー公式の入力信号一覧では、K-55XR50を含むXR50シリーズについて、HDMI 3とHDMI 4が4K/120Hz・VRR・ALLM・HDCP2.3に対応と示されています。

このうちHDMI 3はサウンドバーとのARC接続で使うため、これらの機能が必要な機器のために残るのは HDMI 4 です。

したがって、ゲーム機など4K120Hz・VRR・ALLMが関わる機器は、テレビの HDMI 4 につなぐのを基本にします(この振り分けは本記事の判断ですが、上記のソニー公式情報を根拠にしています)。レコーダーやストリーミング端末など、これらの機能を必要としない機器は、残りのHDMI入力を使えば問題ありません。

高機能な入力を2つとも同時にゲーム機に使うことはできない、という点だけ先に理解しておくと、機器が増えたときに迷いません。

5-2. HDMI 4を高フレームレートで使うときの前提条件

HDMI 4に挿すだけで自動的に4K120Hzになるわけではありません。テレビ側に、別途次の前提があります。

繰り返しになりますが、これらはテレビと映像機器の間(映像側)の条件です。サウンドバーとのARC接続とは別の話であり、ARC接続側にこの条件を持ち込む必要はありません。


6. ふだんの入力の考え方(2段構えで整理する)

この組み合わせは、入力を2段構えで考えると混乱しません。

つまり、ゲーム機に切り替えるときもレコーダーに切り替えるときも、操作するのはテレビ側の入力だけです。S642Wにはソース機器用のHDMI入力がないため、「サウンドバー側で機器ごとに入力を切り替える」という使い方自体がありません。

サウンドバー側のソースを触るのは、光デジタルに切り替えるときや、Bluetooth・USBなど別の再生手段を使うとき、そして音が出ないときの切り分けのときだけ、と考えておくと分かりやすくなります。

なお、テレビのリモコンでサウンドバーの音量や電源がどこまで連動するかは、この記事の確認範囲では確立していません。確認できているのは、TCL側がテレビのCEC有効化を求めていること、そしてK-55XR50側の該当設定パスまでです。連動の範囲についてこの記事は約束をしません。


7. 有線の代替手段:光デジタルでつなぐ

HDMI ARCがどうしても使えない場合の有線の代替が、光デジタル接続です。

根拠は次の2点です。

ただしK-55XR50はARC対応入力(HDMI 3)を持つテレビなので、通常はHDMI ARCが基本で、光デジタルは「HDMI経路で解決しないときの逃げ道」という位置づけです。

光デジタルに切り替えるときの注意点は3つです。

  1. サウンドバー側のソースを光デジタルに切り替えること。HDMI-ARCのままでは鳴りません。
  2. テレビ側の [設定]—[画面と音声]—[音声出力]—[スピーカー出力]—[オーディオシステム]共通で必要です(ソニー公式ヘルプガイドのこの手順は、HDMIと光デジタルの両方の接続を対象として案内されています)。
  3. 光デジタルはHDMI ARCと同等の接続方法ではありません。 光デジタル入力があるという記載は、ARCと同じことができるという意味ではありません。テレビの仕様表に併記された AAC/PCM/AC3/DTS は、テレビの光デジタル出力端子についてソニーが記載しているラベルであって、「この組み合わせならこれらが必ずサウンドバーで鳴る」という保証ではありません。

なお、HDMIと光デジタルを同時につないだときにどちらが優先されるかは、この記事の確認範囲では未確認です。切り分けをするときは、確認したい側だけをつないだ状態にすると誤解が起きません。


8. 音が出ないときの確認手順

TCL公式の取扱説明書が挙げている確認項目は 「正しい入力ソースが選択されているか」 で、光デジタルで音が出ない場合の対処として 「PCM信号出力を有効にしてみてください」 が案内されています。これに、K-55XR50側で確認できる設定を組み合わせると、次の順番で見ていくのが実用的です(この順序立ては本記事の判断です)。

  1. サウンドバーの入力ソースがHDMI-ARCになっているか。 TCL公式が最初に挙げている確認項目です。光デジタルやBluetoothに切り替わったままになっていないか確認します。
  2. テレビ側のHDMI 3に挿さっているか。 K-55XR50でeARC/ARC対応入力として確認できるのはHDMI 3だけです。HDMI 1・2・4では成立しません。
  3. サウンドバー側はHDMI ARCの端子か。 ARCと表示のある端子であることを確認します。
  4. ブラビアリンク機器制御が有効か。 [設定]—[放送と外部入力]—[外部入力設定]—[ブラビアリンク設定]—[ブラビアリンク機器制御] を確認します。TCL側がテレビのCEC有効化を求めているため、ここは実質的な前提です。
  5. テレビの音の出口がオーディオシステムになっているか。 [設定]—[画面と音声]—[音声出力]—[スピーカー出力]—[オーディオシステム] を確認します。ここが内蔵スピーカーのままだと、配線が正しくても鳴りません。
  6. 付属のHDMIケーブルを使った素の状態で試す。 延長や分配、変換をはさんでいる場合は、いったん外して付属ケーブル1本の直結に戻します。

ここまでで解決しない場合は、光デジタル接続に切り替えて切り分ける方法があります。そして光デジタルでも音が出ない場合の対処として、TCL公式は「PCM信号出力を有効にしてみる」ことを案内しています。

ただし注意点として、K-55XR50側でデジタル音声出力をPCMに切り替えるメニュー名は、この記事の確認範囲には含まれていません。 確認できているのは、TCL側が「PCM信号出力を有効にする」という対処を案内していることと、テレビの光デジタル出力欄にPCMを含むラベルが記載されていることまでです。存在しないメニュー名をこの記事で創作することはしません。 実機の音声出力設定でPCMに相当する選択肢を探してください。


9. 音声フォーマットの線引き(ここが一番の注意点)

この組み合わせでは、サウンドバー側とテレビ側を分けて読むこと、そしてARCとeARCを混ぜないことが重要です。

サウンドバー側(S642W)として確認できていること

TCL公式の製品情報で確認できるS642Wは、2.1ch/200W/HDMI 1.4 with ARC、機能として Dolby AudioDTS Virtual:X が記載されています。

この記事がS642Wについて主張するのは、この範囲だけです。

S642WのDolby Atmos対応は、この記事の確認範囲では確立していません。したがってこの記事はDolby Atmos対応を主張しません。同時に、「非対応である」とも書きません。未確認だからです。

テレビ側(BRAVIA 5)として確認できていること

ソニー公式ヘルプガイドの音声フォーマットの案内では、eARC/ARC(HDMI3入力のみ)についてeARCモードとARCモードで別々のリストが示されています。

この2つは別のリストです。 S642WはeARC対象外の構成なので、この組み合わせで参照すべきなのはARCモードのリストのほうです。eARCモード側にだけ載っているフォーマット(7.1ch linear PCM、DTS-HD Master Audio、DTS-HD High Resolution Audio、DTS:X)を、この組み合わせの動作として読み替えないでください。

2つを重ねて読まないこと

テレビ側のARCモードのリストは、「テレビがARCで出せるとソニーが記載しているフォーマット」です。サウンドバー側が実際にどこまで扱えるかを保証するものではありません。

たとえばテレビ側のARCモードのリストにはDolby Atmosが含まれますが、S642W側のDolby Atmos対応はこの記事の確認範囲では未確認です。この記事は、テレビ側の記載とサウンドバー側の記載を重ねて、この組み合わせの動作保証に読み替えることはしません。

同様に、テレビ内のアプリ、外部機器、個々のコンテンツ、接続経路や設定によって、実際に何が届くかは変わります。ソニー公式ヘルプガイドの記載も、列挙されたフォーマットがあらゆるソース・コンテンツ・アプリ・設定で必ず成立することを示すものではありません。


10. この記事が断定しないこと(未確認・確認範囲外)

以下は今回の確認範囲に含まれていないため、この記事では判断しません。「未確認」であって「非対応」ではありません。

これらは別途、それぞれのメーカー公式情報を確認してください。


まとめ

出典:ソニー公式仕様情報/ソニー公式ヘルプガイド/ソニー公式サポート情報/TCL公式製品情報/TCL公式日本語取扱説明書

参照した公式情報

この記事の判断に使用したメーカー公式資料です。