BRAVIA 5「K-55XR50」× Samsung「HW-Q930B」のつなぎ方:HDMI eARCの設定、HDMI入力1系統の使い分け、音が出ないときの確認順

結論

BRAVIA 5「K-55XR50」とSamsung「HW-Q930B」は、テレビのHDMI 3とHW-Q930Bのテレビ用HDMI出力をHDMI eARCでつなぐのが基本の構成です。

テレビ側で確認する設定は4つです。

  1. [eARC設定]をオートにする
  2. [スピーカー出力]をオーディオシステムにする
  3. リモコン連動を使うなら[ブラビアリンク機器制御]を有効にする
  4. HW-Q930B側はSamsung公式の接続案内どおり、D.INでARC/eARCが認識されることを確認する

ここで、この組み合わせならではの構成上のポイントがあります。HW-Q930BのHDMI入力は1系統です。ゲーム機やプレーヤーをサウンドバーへ直接つなぐ構成は物理的には選べますが、直結できる外部機器は同時に1台までです。2台以上をサウンドバー側にまとめる構成は、この機種では成立しません。

さらに重要な境界があります。Samsungの型番別仕様で確認できるのは**「4K映像パススルー:対応」までで、パススルー時のリフレッシュレートは記載されていません**。したがって、HW-Q930B直結での**4K120は未確認(NOT ESTABLISHED)**です。「120Hzまで通る」とも「60Hzまでしか通らない」とも、今回のcanonical FACTからは判断できません。VRR、ALLM、Dolby Visionのパススルーについても、この1項目からは推測しません。

そのため、4K120やVRR、ALLM、あるいは確認できていないHDRの扱いが重要な機器は、K-55XR50のHDMI 4へ直接つなぎ、音声だけをHDMI 3のeARCでHW-Q930Bへ戻す構成が安全です。テレビ側は公式資料でHDMI 3/HDMI 4の対応が確認できているため、映像経路の不確かさを持ち込まずに済みます。

また、Sony側のeARC出力フォーマット一覧とHW-Q930B側の対応フォーマット記載を足し合わせても、この組み合わせの実経路で任意のDolby Atmosやマルチチャンネル音声が必ず成立するとは断定しません。未確認は「非対応」という意味ではありませんが、確認できていないことを保証もしない、というのがこの記事の立場です。

対象モデルと、この記事で確認する範囲

対象は次の2機種です。

HW-Q930Bについて、Samsung公式の型番別 product specification(Samsung Australia)から確認できる主な項目は次のとおりです。

このうち映像の項目は「4K映像パススルー:対応」までで、パススルーのリフレッシュレートは記載されていません。この記事では、その空白を他の型番の仕様や一般論で埋めません。

また、型番の近い別モデル(同じQシリーズの上位機や、末尾のアルファベットが違う世代)の仕様をHW-Q930Bへ流用しません。たとえばHDMI入力が2系統ある上位・別世代モデルの構成例は、HDMI入力1系統のHW-Q930Bにはそのまま当てはまりません。

Samsungの共通サポート情報は、ARC/eARCや光デジタル接続の操作手順、音が出ないときの確認順といった共通手順の範囲でのみ使います。Samsung製テレビ向けのメニュー名や、Samsungテレビとの組み合わせ専用の機能は、Sonyテレビとの今回の組み合わせには持ち込みません。テレビ側の設定名や設定経路は、すべてSony公式の記載に従います。

1. 基本はHDMI eARCでつなぐ

K-55XR50でeARC/ARCに使えるHDMI端子はHDMI 3です。Sony公式のHDMI入力信号一覧(2025年発売モデル XR50シリーズ)で、eARC/ARCの対応端子として示されているのがこの端子です。

接続の向きは次のとおりです。

K-55XR50 HDMI 3 ⇄ HW-Q930B テレビ用HDMI出力(eARC/ARC)

HW-Q930BにもHDMI入力が1系統ありますが、テレビと結ぶのはHDMI入力ではなく、テレビ用のHDMI出力です。ここを取り違えると、テレビの音声がサウンドバーへ戻りません。HDMI入力と出力が隣り合って並んでいる機種では起こりがちな取り違えなので、最初に端子の刻印を確認しておくと確実です。

ケーブルは、Sony公式がeARC接続の図で示している**イーサネット対応HDMIケーブル(別売)**を用意します。HW-Q930Bに同梱されるケーブルがこの条件を満たすかどうかは今回のcanonical FACTでは確認していないため、「付属品をそのまま使えば必ず大丈夫」とは断定しません。手元のケーブルの仕様が分からない場合は、条件を満たすことがはっきりしているケーブルへ交換したほうが切り分けは早くなります。

なお、Sony公式には、eARC/ARCと記載されているHDMI端子を使うと、テレビにつないだ外部入力機器の音声信号をeARC対応オーディオシステムへ出力(パススルー)できる、と記載されています。これは「テレビに集約した外部機器の音も、eARCでサウンドバーへ返せる」という経路の話です。ただしこの記載は経路の成立を示すもので、あらゆるコーデックが必ずそのまま通ることまでを示すものではありません。

2. K-55XR50側の設定

接続したら、テレビ側で次の3項目を確認します。

eARC設定

[オーディオシステム設定]→[eARC設定]で、オートを選びます。

Sony公式のヘルプガイドでも、eARC対応のHDMI接続手順としてこの選択が案内されています。

スピーカー出力

[設定]→[画面と音声]→[音声出力]→[スピーカー出力]で、オーディオシステムを選びます。

ここがテレビスピーカーのままだと、配線とeARC設定が正しくても、サウンドバーから音は出ません。音が出ないときにまず疑う項目のひとつです。

HDMI連動(ブラビアリンク)

テレビのリモコンでの連動操作を使う場合は、[設定]→[放送と外部入力]→[外部入力設定]→[ブラビアリンク設定]→[ブラビアリンク機器制御]を有効にします。

Samsung側の共通案内でも、サウンドバーのHDMI-CEC機能(Anynet+)を使う場合はテレビ側でHDMI-CECを有効にし、Samsung製テレビでない場合はそのテレビの説明書に従う、という前提になっています。今回はSonyテレビなので、テレビ側の操作は上記のブラビアリンク設定が該当します。

ただし、SonyとSamsungをまたいだCEC連動が実際にどこまで動くかは、この記事では保証しません。電源連動や音量連動がどの範囲で成立するかは、今回のcanonical FACTでは確認できていません。公式に記載された設定を有効にするところまでが確認範囲です。連動が思ったように動かない場合でも、音声そのものはeARCの経路が成立していれば出力されます。連動の可否と音が出るかどうかは、切り分けて考えてください。

3. HW-Q930B側はD.INでARC/eARC認識を確認する

Samsungの公式接続案内では、テレビからARC/eARCで音を受けるとき、サウンドバーの入力をD.INに合わせます。連動後の表示としては「TV ARC」が案内されています。

つないだのに音が出ない場合、いきなりテレビ側のデジタル音声フォーマット設定を細かく変えるのではなく、まず次の基本から確認します。

接続の土台が合ってから設定を詰める順番のほうが、原因を特定しやすくなります。

4. 外部機器はサウンドバー直結かテレビ直結か

HW-Q930BはHDMI入力が1系統あるため、外部機器をサウンドバーへ直接つなぐ構成も物理的には選べます。ただし、この組み合わせでは次の2点を最初に押さえてください。

HW-Q930Bへ直接つなぐ場合

経路は次のようになります。

ゲーム機・プレーヤー → HW-Q930B HDMI IN → HW-Q930B HDMI OUT → K-55XR50 HDMI 3

Samsungの共通案内でも、外部機器のHDMI出力をサウンドバーのHDMI入力へつなぎ、サウンドバーの入力をHDMIにすると、映像はテレビ側に表示され、音声はサウンドバーから出る、という構成が説明されています。

ここで、この記事がはっきり線を引く点があります。

未確認は非対応という意味ではありません。実機で問題なく通る可能性もあります。ただし、この記事では確認できていないものを「大丈夫」とは書きません。

したがって、HW-Q930B直結が向いているのは、4K120やVRR、ALLMを必要としない機器です。HDMI入力が1系統しかない以上、その1系統をどの機器に割り当てるかは、この条件を踏まえて決めることになります。

K-55XR50へ直接つなぐ場合(4K120/VRR/ALLMを優先するなら)

4K120やVRR、ALLM、あるいは確認できていないHDRの扱いを優先したい機器は、テレビへ直接つなぎます。

ゲーム機・プレーヤー → K-55XR50 HDMI 4

音声はテレビ側から、

K-55XR50 HDMI 3(eARC)→ HW-Q930B

へ戻します。

K-55XR50側は、Sony公式のHDMI入力信号一覧でHDMI 3/HDMI 4が4K/120Hz、VRR、ALLM、HDCP2.3に対応していることが確認できます。HDMI 3はeARCで使うため、外部機器はHDMI 4へつなぐと端子の役割が競合せず、構成として扱いやすくなります。

この構成なら、サウンドバー側の映像パススルーで未確認になっている部分を経路から外したうえで、テレビ側で確認できている対応端子を使えます。HW-Q930BのHDMI入力が1系統しかないことを考えても、映像品質にこだわる機器はテレビ側へ、音声中心の機器や条件の緩い機器をサウンドバー側の1系統へ、という割り振りが現実的です。

5. 4K120などを使うときのテレビ側の設定とケーブル

高い信号フォーマットを使う場合、K-55XR50側で端子ごとの設定変更とケーブル条件が必要です。Sony公式の記載は次のとおりです。

[拡張フォーマット(詳細)]と[拡張フォーマット(高機能)]は、それぞれ別のSony公式情報に書かれている表記です。この記事では、両者を混ぜた第三の名称には言い換えません。実際に画面に表示される項目名は、お使いの機器の表示に従ってください。

なお、これらはいずれもテレビの入力端子側の設定です。HW-Q930B経由の映像パススルーに適用される条件ではありません。サウンドバーを経由させた場合にどのフォーマットまで通るかは、前章のとおり未確認です。

6. 音声フォーマットは「両方に記載がある」だけで成立を断定しない

Sony公式には、BRAVIA 5のeARC/ARC(HDMI3入力のみ)で扱える音声フォーマットが記載されています。

一方、HW-Q930Bの型番別仕様には、音声としてDolby Digital Plus、Dolby True HD、ATMOS、Dolby MATが記載されています。

しかし、テレビが出力できる形式の一覧と、サウンドバーが製品として対応している形式の記載は、それぞれ別の事実です。この2つを足し合わせても、実際の入力機器、アプリ、コンテンツ、設定を含むK-55XR50×HW-Q930Bの実経路で、任意のDolby Atmosやマルチチャンネル音声が必ず成立するとまでは確認できません。実際に届く形式は、再生機器やアプリ、コンテンツ、そしてテレビ側のデジタル音声出力設定にも左右されます。

また、HW-Q930Bの型番別仕様に記載があるのは上記のDolby系フォーマットです。DTS系やマルチチャンネルLPCMの可否は、この仕様の記載からは確認できません。記載がないことは「非対応」の証明ではありませんが、この記事では確認できていないものを成立するとは書きません。

そのため、この記事では「必ずこの形式で届く」とは書かず、実際の表示(テレビ側の音声情報表示や、サウンドバー側のフォーマット表示)で確認することをおすすめします。

7. 音が出ないときの確認順

HDMI eARCでつないだのに音が出ない場合は、次の順番で切り分けます。

  1. HDMI端子を確認する — テレビ側はHDMI 3、HW-Q930B側は**テレビ用HDMI出力(eARC/ARC)**へ、しっかり差し込む
  2. テレビの音声出力を確認する — [スピーカー出力]をオーディオシステム
  3. eARC設定を確認する — [eARC設定]がオートになっているか
  4. HDMI-CECを確認する — [ブラビアリンク機器制御]が有効か
  5. HW-Q930B側を確認するD.INを選び、ARC/eARCの認識(「TV ARC」表示)を確認する
  6. テレビとサウンドバーの電源を入れ直す
  7. 外部HDMI機器を一時的に外す — ARC/eARCの動作を乱している機器がないか確認する
  8. HDMIケーブルを交換する — ケーブル不良や仕様不足を切り分ける
  9. デジタル音声出力設定を確認する — 特定のコンテンツだけ無音なら、フォーマットの相性を疑う

最後の項目について、Sony公式は「お使いのオーディオシステムによっては[デジタル音声出力設定]が必要です」としています。HDMI接続時の経路は、[設定]→[画面と音声]→[音声出力]→[オーディオシステム設定]→[デジタル音声出力設定]です。

なお、HW-Q930BがMPEG-4 AACのデコードに対応しているかは、今回のcanonical FACTでは確認できていません。そのため、この組み合わせで[パススルー優先]が適切だとは断定しません。まずは既定の設定のまま接続を成立させ、症状が出た場合に限ってこの設定を確認する順番が安全です。

一度に複数の設定を変えると、どれが効いたのか分からなくなります。1項目ずつ確認してください。

8. 光デジタルはHDMI eARCが使えないときの代替

HW-Q930Bには光デジタル入力が1系統あり、K-55XR50にも光デジタル音声出力が1系統(AAC/PCM/AC3/DTSと記載)あります。HDMI eARCでどうしても安定しない場合は、次の経路へ切り替えます。

K-55XR50 光デジタル音声出力 → HW-Q930B 光デジタル入力(DIGITAL AUDIO IN)

手順は、テレビとサウンドバーを光デジタルケーブルでつなぎ、サウンドバー側の光デジタル入力端子へ接続したうえで、テレビで[設定]→[画面と音声]→[音声出力]→[光デジタル音声出力設定]→[光デジタル音声出力]を有効にします。そのうえで、サウンドバーの入力をD.INにします。光デジタル側で音が出ないときも、端子がしっかり接続されているかと、D.INが選ばれているかを確認します。

なお、光デジタル接続時のデジタル音声出力設定の経路は、HDMI接続時とは別に、[設定]→[画面と音声]→[音声出力]→[光デジタル音声出力設定]→[デジタル音声出力設定]として案内されています。設定を探すときは、HDMI側とこちらを取り違えないようにしてください。

ただし、光デジタルはHDMI eARCと同等の経路として扱いません。扱える音声形式や連動の条件が異なるため、基本はHDMI eARC、光デジタルはあくまで**fallback(代替)**という位置づけです。HDMI eARCで音が出ない原因を切り分けないまま光デジタルへ移行すると、本来の構成に戻れなくなることもあります。まずは前章の確認順を試してください。

この記事で断定しないこと

今回のcanonical FACTからは確認できないため、この記事では次の項目を断定しません。いずれも「非対応」と決めつけているのではなく、**未確認(NOT ESTABLISHED)**という扱いです。

これらが必要な場合は、実機やメーカーの最新資料で個別に確認してください。

まとめ

BRAVIA 5「K-55XR50」とSamsung「HW-Q930B」の基本接続は、K-55XR50 HDMI 3とHW-Q930Bのテレビ用HDMI出力をeARCで結ぶ方法です。テレビ側では[eARC設定]をオート、[スピーカー出力]をオーディオシステムにし、連動を使うなら[ブラビアリンク機器制御]を有効にします。サウンドバー側はD.INでARC/eARCの認識を確認します。ケーブルは、Sony公式が示すイーサネット対応HDMIケーブルを用意します。

外部機器の割り振りでは、HW-Q930BのHDMI入力が1系統しかない点が効いてきます。サウンドバーへ直結できるのは1台までで、さらに直結時のパススルー条件は「4K映像パススルー:対応」までしか確認できていません。**サウンドバー直結の4K120は未確認(NOT ESTABLISHED)**で、VRR、ALLM、Dolby Visionのパススルーも推測しません。これらが必要な機器は、K-55XR50のHDMI 4へ直接つなぎ、音声だけHDMI 3のeARCで戻す構成にします。4K 100Hz/120Hzを使う場合は、テレビ側の端子ごとの信号フォーマット設定と、公式が示すケーブル条件を確認してください。

音声フォーマットは、テレビ側の対応一覧とサウンドバー側の仕様記載を足し合わせただけでは成立を断定できません。音が出ないときは、端子、テレビの音声出力、eARC設定、CEC、D.IN、電源入れ直し、外部機器の切り離し、HDMIケーブル、デジタル音声出力設定の順に確認します。どうしてもHDMIで安定しない場合は、光デジタルをfallbackとして使いますが、HDMI eARCと同等の経路ではない点に注意してください。

参照した公式情報

この記事の判断に使用したメーカー公式資料です。